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EVIDENCE / 日本でよく聞く説

日本でよく聞く説の研究まとめ

日本でよく聞く説について、研究でわかったことを5本、元の論文の出典つきでまとめています。わかったことだけでなく、研究の限界や「まだわからないこと」も書いています。

観察研究

A型は几帳面、B型はマイペース?

よく聞く説

血液型で性格を話すの、日本ではすごく身近だよね。初対面の話題にもなるし、楽しい面もある。じゃあ、データで見るとどうなんだろう。

調べた人

日本とアメリカの大規模調査を見直した

2014年、縄田健悟さんが2000年以降の大規模な社会調査を分析した。日本は2004年と2005年、アメリカは2004年のデータで、合わせて1万人を超える人の回答。

ほんとのところ

68項目中65項目で、差は見られなかった

生活の考え方などを聞いた68項目のうち65項目で、血液型による差ははっきりしなかった。性格の違いのうち血液型で説明できるのは0.3%未満だった。

まだわからないこと

性格の測り方は調査しだい

使ったのは別目的の社会調査の質問で、性格テストそのものではない。ただ、話題として楽しむぶんには問題ない。人を判断する材料にはしないのがよさそう。

出典: 縄田, "血液型と性格の無関連性――日本と米国の大規模社会調査を用いた実証的論拠――" (心理学研究, 2014)

メタ分析

3歳まではお母さんが家で育てるべき?

よく聞く説

「3歳児神話」って聞いたことあるよね。働きながら子育てする人ほど、この言葉が気になってしまうかもしれない。研究ではどう見えているんだろう。

調べた人

50年分・69本の研究をまとめた

アメリカのマカレスター大学などのチームが、子どもが小さいうちに母親が働いていたかと、その後の学力や問題行動との関係を調べた69本の研究をまとめて分析した。

ほんとのところ

全体では、ほとんど関係が見られなかった

多くの項目で、早くから働いていても後の学力や問題行動に目立った差はなかった。2〜3歳の時期に働いていたほうが、学力がやや高い結果も。ひとり親の家庭などでは良い面が目立った。

まだわからないこと

生後1年目は、条件によって結果が分かれた

中流家庭や両親のいる家庭、生後1年目からの仕事では、マイナスの結果も一部あった。家庭の状況や保育の環境で変わるので、「誰にでもこう」とは言えない。

出典: Lucas-Thompson et al., "Maternal work early in the lives of children and its distal associations with achievement and behavior problems: A meta-analysis" (Psychological Bulletin, 2010)

実験

「最近の若者は…」って、本当にそう?

よく聞く説

「ゆとり」「最近の若者は」って、いつの時代も言われてきたよね。言う側にもそれなりの実感があるはず。その実感がどこから来るのか、調べた人がいる。

調べた人

アメリカの大人3,458人に聞いた

カリフォルニア大学サンタバーバラ校のチームが、事前に計画を登録した5つの研究で、今の子どもは昔より目上を敬う・頭がいい・本好きかを聞いた。

ほんとのところ

自分が得意なことほど、若者が劣って見える

本をよく読む人ほど「今の子は読書しない」と感じ、頭のいい人ほど「今の子は賢くない」と感じていた。今の自分を基準に、昔の子ども時代を思い出してしまう記憶のずれも関係していた。

まだわからないこと

若者が本当に変わったかは別の話

この研究が見たのは大人の「感じ方」で、若者の実際の変化を測ったわけじゃない。対象もアメリカの大人なので、日本で同じかは確かめられていない。

出典: Protzko & Schooler, "Kids these days: Why the youth of today seem lacking" (Science Advances, 2019)

メタ分析

左利きは天才が多い?

よく聞く説

「左利きは頭がいい」「天才肌」ってよく聞くよね。有名人の名前が挙がることも多い。じゃあ、とても知能が高い人には本当に左利きが多いんだろうか。

調べた人

1万6千人分のデータをまとめた

ギリシャのアテネ大学のチームが、利き手と知能の関係を調べた研究をまとめて分析した。19のデータで合計16,076人、そのうち知能がとても高い人は1,969人。

ほんとのところ

知能が高い人に左利きが多い、とは言えなかった

知能がとても高い人のグループで、右利き以外の人がはっきり多いという結果は確かめられなかった。左利きが天才の目印、というのは研究からは支持されていない。

まだわからないこと

利き手の決め方は研究ごとにばらばら

どの手を使うかの測り方や、「知能が高い」の基準は研究によって違う。利き手と脳の働きのつながり自体は、まだ研究が続いている分野。

出典: Papadatou-Pastou & Tomprou, "Intelligence and handedness: Meta-analyses of studies on intellectually disabled, typically developing, and gifted individuals" (Neuroscience & Biobehavioral Reviews, 2015)

観察研究

雨の日は頭が痛くなる?

よく聞く説

天気が崩れる前に頭が痛くなる、という話はよく聞くよね。「気象病」なんて言葉もある。気のせいと言われがちだけど、記録をとって調べた研究がある。

調べた人

宇都宮で片頭痛のある人が1年間日記をつけた

獨協医科大学などのチームが、宇都宮地方気象台から10km以内に住む片頭痛のある28人に、1年間頭痛日記をつけてもらい、気象台の気圧データと照らし合わせた。

ほんとのところ

数日の気圧の変化と、頭痛の回数が関係していた

頭痛の前後数日で気圧が5hPa以上変わるタイミングで、頭痛の回数が変わっていた。28人中18人(64%)で天気の変化と頭痛に関係が見られた。月ごとの平均気圧とは関係がなかった。

まだわからないこと

28人の小さな研究

対象は片頭痛のある28人だけで、ほかの頭痛や片頭痛のない人に当てはまるかはわからない。頭痛が続くときやいつもと違うときは、医療機関に相談してね。

出典: Kimoto et al., "Influence of Barometric Pressure in Patients with Migraine Headache" (Internal Medicine, 2011)

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