お金を払った分だけ引き返せなくなるのはなぜ?
すでに払って戻らないお金(サンクコスト)があると、それがもったいないという理由で、利用を続けてしまうことが実地実験で示された。
研究
どんな研究?
オハイオ大学の研究チームが、大学劇場のシーズンチケットを定価または割引価格で無作為に購入した客を対象に、半年間の観劇回数を比べた実地実験。
結果
数字で見ると
シーズン前半の平均観劇回数は、定価の客が4.11回、2ドル割引が3.32回、7ドル割引が3.29回。差が出たのは前半だけだった。
EVIDENCE / お金の心理学
お金の心理学について、研究でわかったことを11本、元の論文の出典つきでまとめています。わかったことだけでなく、研究の限界や「まだわからないこと」も書いています。
すでに払って戻らないお金(サンクコスト)があると、それがもったいないという理由で、利用を続けてしまうことが実地実験で示された。
研究
オハイオ大学の研究チームが、大学劇場のシーズンチケットを定価または割引価格で無作為に購入した客を対象に、半年間の観劇回数を比べた実地実験。
結果
シーズン前半の平均観劇回数は、定価の客が4.11回、2ドル割引が3.32回、7ドル割引が3.29回。差が出たのは前半だけだった。
同じ商品でも、支払いがクレジットカードだと想定した人は、現金だと想定した人より高い入札額を出した。ただし1つの競売実験の結果。
研究
MITの研究チームが、完売した人気バスケットボールの試合チケットの封印入札競売で、参加者に現金払いかカード払いのどちらかを無作為に割り当てて入札額を比べた。
結果
カード払いの条件の平均入札額は、現金払いの条件のほぼ2倍に達した。入札者は無作為に振り分けられ、支払い方法以外の条件は同一だった。
渡されたお金を他人のために使った人は、自分のために使った人より、その日の終わりの幸福度が高かった。少額でもこの差が出た。
研究
参加者に5ドルまたは20ドルを渡し、「自分のために使う」「他人のために使う」群に無作為に分け、その日の夕方までに使ってもらい、幸福度を比べた実験。
結果
他人のために使った群は、自分のために使った群より幸福度が有意に高かった。渡された額が5ドルでも20ドルでも、この傾向は変わらなかった。
出典: Dunn, Aknin & Norton, "Spending Money on Others Promotes Happiness" (Science, 2008)
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旅行やコンサートなどの「経験」への出費は、モノへの出費より幸福感が高いと答える人が多い。ただし後の分析では、その差は元の研究ほど大きくない可能性もある。
研究
米コロラド大とコーネル大の研究者が、2つの調査と実験室実験で、経験の購入とモノの購入のどちらが幸福感につながるか、参加者に回答や想起をさせて比べた。
結果
調査では、経験の購入の方が幸せだったと答えた人が57%、モノの購入が34%だった。実験でも、経験を思い浮かべた方が前向きな気分になった。後年のメタ分析では効果はやや小さいとされる。
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今すぐ給料を減らすのではなく、将来の昇給のたびに貯蓄額を少しずつ増やす約束をすると、貯蓄率は大きく上がりました。痛みを感じにくい仕組みが鍵です。
研究
米国の企業で実施された、確定拠出年金の積立プラン。昇給のたびに積立率が自動で上がるプラン「Save More Tomorrow」に加入した従業員を、約40か月追跡しました。
結果
加入者の貯蓄率は、加入前の平均3.5%から、4回目の昇給時には13.6%まで上昇しました。多くの人が、途中で脱退せずに続けました。
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深刻な借金だと気づいてから相談するまで、平均で1年以上かかっていた。「もっと早く助けを求めればよかった」という後悔も多く見られた。
研究
英国の債務整理会社の利用者260人に、借金に至るまでの後悔を書いてもらい、気づいてから相談するまでの期間と借金の額などを調べた。
結果
相談までの期間は平均14.6か月。後悔495件のうち99件が「早く相談すればよかった」で、遅い人ほど借金も多かった。ただし本人の記憶にもとづく回答。
カードの支払日を知らせる通知で延滞手数料は減ったが、口座の残高不足の手数料は逆に増えた。一つに注意を向けると、別のことがおろそかになりうる。
研究
ブラジルの家計管理アプリで、カードの支払日が近づくと利用者にリマインダーを送る実験を行い、手数料の変化を調べた。
結果
延滞手数料は14%減り、残高不足の手数料は9%増えた。残高不足の経験がある人では手数料の合計が5%増えた。ただし1つの国・1つのアプリでの実験。
クーポンで浮いたお金の一部は、ふだん買わない商品への支出に回っていた。浮いた分を「臨時のお金」として扱っていると考えられた。
研究
ネットスーパーの客の購買データで、10ドル引きのクーポンを使った注文と使わなかった注文の購入額を比べた。
結果
クーポンを使った注文は、食料品の購入額が1.59ドル多かった。ただし1つの店のデータで、クーポンを使うかどうかは客自身が選んでいる。
貯金用のお金は1つの封筒より2つに分けた方が多く貯まった。封筒に子どもの写真を付けて目的を思い出せるようにすると、さらに増えた。
研究
銀行のない地域で暮らすインドの146世帯の働き手に、毎週の賃金の一部を貯金用の封筒に分けてもらい、14週間調べた。
結果
146世帯・14週間で、2つの封筒に分けた方が1つより貯金額が多かった。ただし銀行が使えない地域の研究で、銀行口座にそのまま当てはまるとは限らない。
自分で決めた日付か目標額まで引き出せない口座を提案された人たちは、1年後の貯金残高が、提案されなかった人たちより大きく増えていた。
研究
フィリピンの銀行の顧客1,777人のうち、くじで選んだ710人に引き出しを制限する口座を提案し、202人が開設した。
結果
提案されたグループの平均貯金残高は1年後、提案されなかったグループより81パーセントポイント多く増えた。ただし特定の地域・所得層での実験。
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この実験では、成功するたびにお金をもらった人は、報酬がなくなった自由時間に、そのゲームを自分から遊ぶ回数が少なかった。
研究
日本の大学生28人を14人ずつ2組に分け、ストップウォッチを5秒ぴったりで止めるゲームをした。片方の組だけ成功1回ごとに200円をもらった。
結果
報酬のない3分間の自由時間に、200円をもらった組はゲームを自分から遊ぶ回数が少なかった。人数が少なく、勉強ではなく短いゲームでの結果。
反対の結果最初の1か月だけ報酬をもらうと、運動が習慣になる?お金の報酬で習慣が続いた研究と、やる気が下がった研究
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