ガムを噛むと集中力が上がる?
テスト前の5分間ガムを噛むと一部の認知課題で成績が上がったが、効果は最初の15〜20分だけで、全分野には及ばなかった。
研究
どんな研究?
米セントローレンス大学の研究チームが、課題の前の5分間だけ、または課題の間ずっとガムを噛む参加者と、噛まない対照群の複数の認知課題の成績を比べた。
結果
分かったこと
ガムを課題の前に5分噛んだ群は複数の指標で有利だったが、利点は最初の15〜20分で消えた。課題の最中ずっと噛み続けた場合は、成績の向上は見られなかった。
EVIDENCE / 集中力
集中力について、研究でわかったことを9本、元の論文の出典つきでまとめています。わかったことだけでなく、研究の限界や「まだわからないこと」も書いています。
テスト前の5分間ガムを噛むと一部の認知課題で成績が上がったが、効果は最初の15〜20分だけで、全分野には及ばなかった。
研究
米セントローレンス大学の研究チームが、課題の前の5分間だけ、または課題の間ずっとガムを噛む参加者と、噛まない対照群の複数の認知課題の成績を比べた。
結果
ガムを課題の前に5分噛んだ群は複数の指標で有利だったが、利点は最初の15〜20分で消えた。課題の最中ずっと噛み続けた場合は、成績の向上は見られなかった。
授業中に別の作業をしていた学生はテストの成績が低く、その様子が見える位置にいた周りの学生も成績が下がった。
研究
模擬の大学講義で、ノートPCで授業と無関係な作業をする学生とそうでない学生、さらにその画面が見える位置にいる学生とそうでない学生のテスト成績を比較した。
結果
ノートPCでながら作業をした学生の成績は約11%低く、作業中の人が視界に入る位置にいた学生は約17%低かった。
注意が必要な課題の途中で、緑の屋根の景色を40秒見た学生は、コンクリートの屋根を見た学生よりミスが少なかった。
研究
大学生150人が、集中力を測る課題を行い、花の咲く緑の屋根かコンクリートの屋根の写真を40秒見る群にランダムに分かれ、休憩の前後で同じ課題を行って比べた。
結果
緑の屋根を見た群は、課題でのやり忘れ(見落とし)の誤りが有意に少なく、反応のばらつきも小さかった。効果は小さな差で、他の研究でも結果は一様ではない。
中断された作業は短時間で終わったが、そのぶんストレスや焦り、負担感が増していた。
研究
カリフォルニア大学アーヴァイン校などの研究チームが、作業の途中で割り込みが入る条件と入らない条件で、完成までの時間と成果の質、心理的な負担を比べた実験。
結果
中断された人は、成果の質は変わらず、作業時間は短かった。ただしストレス、フラストレーション、時間のプレッシャー、労力の自覚が高かった。
出典: Mark, Gudith & Klocke, "The Cost of Interrupted Work: More Speed and Stress" (CHI, 2008)
反対の結果たった3秒の中断でも、作業ミスは増える?中断で質は落ちなかった研究と、ミスが倍増した研究
数秒の中断でも、作業の手順を取り違えるミスが2倍以上に増えます。短い通知でも、手順のある作業では影響が出るので注意が必要です。
研究
参加者が、決まった手順を順番にこなす課題に取り組み、途中で短い別課題に中断される実験。中断の長さを変えて、再開後に「次の手順」を間違える割合を測りました。
結果
平均2.8秒の中断で手順ミスは約2倍、平均4.4秒の中断では約3倍に増えました。順番に関係しないミスは、中断で増えませんでした。
反対の結果仕事を中断されると、別の代償を払う?中断で質は落ちなかった研究と、ミスが倍増した研究
この実験では、練習した課題はどれも上達したが、練習していない別の検査の成績には効果が広がらなかった。
研究
英国の科学番組の視聴者1万1,430人が、推理・記憶・注意などの課題を1日10分以上、週3回以上、6週間続けた。
結果
訓練は平均24.47回。ネットで調べながら雑学クイズに答えただけの組も、検査の成績は同じくらい上がった。自宅でのオンライン実験だ。
出典: Owen, Hampshire, Grahn et al., "Putting brain training to the test" (Nature, 2010)
映像を見ている間はまばたきが減った。注意があまりいらない瞬間には、見ている人どうしでタイミングがそろった。
研究
成人14人に短いコメディ映像を見てもらい、安静時と視聴中のまばたきの回数や、人どうしのタイミングのそろい方を比べた。
結果
まばたきは安静時の1分あたり24.2回から、視聴中は16.6回に減った。映像を見る課題の結果で、会話中のまばたきの研究ではない。
動画のテンポ自体と、集中力に関わる実行機能の関連は見られなかった。成績が下がっていたのは、現実にありえない内容を見た直後だった。
研究
テンポに関する19研究(1,431人、1.5〜10歳)と、ファンタジー内容に関する16研究(1,297人、1.5〜6歳)をまとめたメタ分析。
結果
テンポとの関連は統計的に有意でなく、ファンタジー内容では成績が低かった。研究間のばらつきが大きく、見た直後の短期的な変化だけを調べている。
よく聞く説
「女性は同時にいくつもこなせて、男性は1つずつ」——よく聞く話だよね。でも実は、それを確かめたデータは少なく、これまでの研究でも結果はばらばらだった。
調べた人
2019年、ハーンスタインたちは、パソコン上で会議室を準備しながら次々に来る用事や邪魔に対応する課題を、18〜60歳の男性82人・女性66人にやってもらった。
ほんとのところ
正確さ、かかった時間、動いた距離、やることを覚えておく力、邪魔への対処のどれでも、男女の差はなかった。差の大きさはどれも「小さい」とも呼べないほどだった。
まだわからないこと
調べたのは1種類の課題で、約150人。ほかの種類のマルチタスクでも差がないと言えるだけのデータは、まだそろっていない、と著者たち自身も書いている。
あわせて読むながら作業ばかりだと、気が散りやすい頭になる?ながら作業が多い人ほど気が散る、という説も追試ではほぼ消えた
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