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性格と性格診断の研究まとめ

性格と性格診断について、研究でわかったことを5本、元の論文の出典つきでまとめています。わかったことだけでなく、研究の限界や「まだわからないこと」も書いています。

観察研究

星座で性格がわかる?

よく聞く説

「獅子座だから目立ちたがり」「乙女座は几帳面」。星座占いは雑誌やテレビでおなじみだよね。じゃあ、生まれた星座と性格テストの結果を並べてみると、どうなるんだろう。

調べた人

19歳の男性3,074人の性格テストと比べた

研究チームが、スイス・チューリッヒ州に住む19歳の男性3,074人(同じ年の男性の約半分)に性格テストを受けてもらい、生まれた星座ごとに結果を比べた。

ほんとのところ

星座と性格のつながりは見つからなかった

統計で調べても、星座と性格テストの結果のあいだに関係は見られなかった。占いで言われる星座ごとの性格の違いは、このデータでは確かめられなかった。

まだわからないこと

見たのは「太陽の星座」だけ

対象はスイスの19歳の男性だけで、1970年代の調査。占星術で使う月や惑星の位置までは見ていない(論文自身もそう書いている)。女性や他の国、他の年代でも同じかは、この研究だけではわからない。

出典: Angst & Scheidegger, "Tierkreiszeichen und Persönlichkeit" (Sozial- und Präventivmedizin, 1976)

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実験

性格診断が「当たってる」と感じるのはなぜ?

素朴な疑問

占いでも性格テストでも、結果を読むと「わかる、自分ってこう」と思うことがあるよね。誰にでも当てはまる文を自分のことだと感じる傾向は「バーナム効果」と呼ばれている。

調べたこと

本物とニセモノの結果を並べて選んでもらった

大学生52人に、占星術のホロスコープから作った性格の説明と、心理学の性格テスト(NEO-FFI)の結果を、それぞれ「本物1つ・別の人の1つ」で見せ、どちらが自分のものかを選んでもらった。

わかったこと

どちらも「当たってる」と感じたが、選べたのは性格テストだけ

星占いも性格テストも、結果を「当たっている」と高く評価する傾向(バーナム効果)が見られた。でも本物を偶然より高い割合で選べたのは性格テストだけで、ホロスコープの本物は見分けられなかった。

まだわからないこと

52人の学生での小さな実験

参加者は大学生52人と少なく、年齢も19歳前後に偏っている。「当たってる」と感じること自体は悪くないけど、その気持ちは結果が正しい証拠にはならない、というのがこの実験から言えること。

出典: Wyman & Vyse, "Science Versus the Stars: A Double-Blind Test of the Validity of the NEO Five-Factor Inventory and Computer-Generated Astrological Natal Charts" (The Journal of General Psychology, 2008)

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観察研究

人は16タイプのどれかに分けられる?

よく聞く説

「INFPだから」「Eの人とは合う」。MBTI(16タイプ)は自己紹介でも使われるくらい広まったよね。じゃあ、人ははっきり16の型に分かれるんだろうか。

調べた人

468人のMBTIとビッグファイブを比べた

性格心理学者のマクレーとコスタが、19〜93歳の男女468人にMBTIを受けてもらい、本人の回答と周りの人の評価によるビッグファイブ(5つの特性で性格を見る方法)と照らし合わせた。

ほんとのところ

「型」ではなく、なだらかな4本の目盛りだった

人がはっきり別のタイプに分かれることを支える結果は出なかった。MBTIが測っていたのは、ほぼ独立した4つの連続した目盛り。そのうち4つはビッグファイブのうち4つの特性の一部と重なっていた。

まだわからないこと

30年以上前の1つのデータ

使ったのは当時の版のMBTIで、今の版や、ネットで広まっている16タイプ診断で同じ結果になるかは、この研究からはわからない。人数も468人で、1つの国の調査。

出典: McCrae & Costa, "Reinterpreting the Myers-Briggs Type Indicator From the Perspective of the Five-Factor Model of Personality" (Journal of Personality, 1989)

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メタ分析

性格は大人になったら変わらない?

よく聞く説

「性格は生まれつきだから」「もう大人だし今さら変わらない」。そう思っている人は多いよね。同じ人を何年も追いかけた研究をまとめると、どう見えるんだろう。

調べたこと

同じ人を追いかけた92の集団をまとめた

ロバーツさんたちが、同じ人の性格を時間をあけて何度も測った研究から、92の集団のデータをまとめ、年代ごとに性格がどう動くかを調べた。

ほんとのところ

大人になってからも、性格は動いていた

まじめさ・情緒の安定・人をリードする面は、とくに20〜40歳で高まっていた。社交的な活発さと好奇心は10代で高まり、高齢期に下がった。6つのうち4つの特性は、中年期や高齢期にも変化していた。

まだわからないこと

平均の話で、一人ひとりは違う

わかったのは集団の平均の動きで、全員が同じように変わるわけではない。なぜ変わるのか(仕事や家族などの役割か、年齢そのものか)も、この研究だけではわからない。

出典: Roberts, Walton & Viechtbauer, "Patterns of mean-level change in personality traits across the life course: A meta-analysis of longitudinal studies" (Psychological Bulletin, 2006)

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メタ分析

性格はどのくらい遺伝で決まる?

素朴な疑問

「親に似て短気」「育ちのせい」。性格が遺伝なのか環境なのかは、よく話題になるよね。双子や家族を調べた研究をまとめると、おおよその割合が見えてくる。

調べたこと

10万人を超えるデータをまとめた

ヴカソヴィッチさんとブラトコさんが、双子・家族・養子の研究から62の効果量を集めてまとめた。対象は男女・あらゆる年代で、合わせて10万人を超える。

わかったこと

性格の個人差のうち、約4割が遺伝、約6割が環境

平均すると、性格の個人差の40%が遺伝、60%が環境によるものだった。出版の偏りを補正しても結論は同じ。ただ双子の研究では47%、家族や養子の研究では22%と、調べ方で数字が変わった。

まだわからないこと

「あなたの性格の4割」ではない

この割合は集団の中の個人差の話で、一人の性格の4割が遺伝で決まるという意味ではない。性格は本人の回答で測っていて、環境の6割が具体的に何なのかも、この研究ではわからない。

出典: Vukasović & Bratko, "Heritability of personality: A meta-analysis of behavior genetic studies" (Psychological Bulletin, 2015)

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