SEADICE / EVIDENCE / LINEと駆け引き
EVIDENCE / LINEと駆け引き
LINEと駆け引きの研究まとめ
LINEと駆け引きについて、研究でわかったことを50本、元の論文の出典つきでまとめています。わかったことだけでなく、研究の限界や「まだわからないこと」も書いています。
メタ分析
「怒ってる?」を何度も聞くと?
安心を何度も求める行動(過剰な安心希求)は、自分の気分の落ち込みと中程度に関連していました。
研究
どんな研究?
「本当に大丈夫?」と安心を求めすぎる行動について、38件・6,973人分の研究をまとめた分析です(メタ分析)。周りから拒まれることとの関連も16件で調べています。
結果
数字で見ると
落ち込みとの関連はr=.32と中程度、周りから拒まれることとの関連はr=.14と弱めでした。同じ時点の関連が中心で、確認をくり返すから拒まれるのかまでは確かめていません。
まだわからないこと
ここはまだ不確か
LINEや恋人に限った研究ではなく、人間関係全般のまとめです。同じ時点の関連が中心で、確認をくり返すことが落ち込みや拒絶を生むのかは、まだはっきりしません。
出典: Starr & Davila (2008). Excessive reassurance seeking, depression, and interpersonal rejection: A meta-analytic review. Journal of Abnormal Psychology
観察研究
近くに住む恋人、LINEと電話どっち?
近くに住むカップルでは、メッセージの頻度ではなく、電話の頻度が関係の満足度の高さと関連していました。
研究
どんな研究?
交際中の若い世代647人(うち遠距離36.5%)に、メッセージや電話の頻度、返信のよさ、関係の満足度をたずねたオンライン調査です。
結果
数字で見ると
近くに住むカップルでは、メッセージの頻度も返信のよさも満足度と関連せず、電話の頻度が関連しました。遠距離ではメッセージの頻度と返信のよさが関連。一時点の調査なので因果はわかりません。
まだわからないこと
ここはまだ不確か
一時点のオンライン調査で、因果はわかりません。満足しているから電話が多いだけかもしれません。対象は若い世代で、日本での結果は確かめられていません。
出典: Holtzman, Kushlev, Wozny, & Godard (2021). Long-distance texting: Text messaging is linked with higher relationship satisfaction in long-distance relationships. Journal of Social and Personal Relationships
観察研究
からかいは好意の裏返し?
からかい自体は好意の証拠にはなりません。関係に満足しているカップルほど、相手の顔を立てる形でからかっていました。
研究
どんな研究?
交際中のカップルに、実験室でお互いをからかい合ってもらい、その内容と関係の満足度などを調べた研究です(男子学生の寮の仲間を調べた研究もあわせて報告)。
結果
数字で見ると
満足度の高いカップルほど、相手の顔を立てる形でからかっていました。からかわれた側は、からかった側より否定的な気持ちを強く感じ、とくに女性はからかわれる側を嫌がりました。
まだわからないこと
ここはまだ不確か
頼まれてからかい合う実験室の場面での結果で、ふだんの会話と同じかはわかりません。米国の大学のカップルが中心で、1998年の研究です。
出典: Keltner, Young, Heerey, Oemig, & Monarch (1998). Teasing in hierarchical and intimate relations. Journal of Personality and Social Psychology
観察研究
恋人同士のからかい、その動機は?
からかいには、関係を修復するためのものと、相手より優位に立つためのものがありました。
研究
どんな研究?
米国南西部のメキシコ系の15〜17歳の交際中カップル34組が、2人の問題を14分間話し合う様子を録画した研究です。
結果
数字で見ると
88.2%の会話にからかいが含まれていました。その結果として、傷つき、主導権争い、恥ずかしさの感情が生まれていました。特定の地域・文化の少人数を観察したものです。
まだわからないこと
ここはまだ不確か
メキシコ系の10代34組という少人数を、一度の話し合いで観察したものです。ほかの年代や文化、ふだんの会話で同じことが起きるかはわかりません。
出典: Rueda, Rankin, & Peace-Tuskey (2025). When is teasing abuse? A grounded theory of teasing among Mexican American adolescent dating couples. Journal of Interpersonal Violence
観察研究
謝られても許せない人の特徴は?
「自分は特別に扱われて当然」という感覚(権利意識)が強い人ほど、許しにくく、償いを強く求める傾向がありました。
研究
どんな研究?
6つの研究(過去の出来事の調査・仮の場面・実験室での場面・時間を追った調査など)で、権利意識と許しやすさの関係を調べた研究です。
結果
数字で見ると
権利意識が強い人ほど、過去の出来事を許しにくく、時間がたっても許す気持ちが増えにくくなっていました。違反の重さ、謝罪の有無、関係の親密さを考えても、この傾向は残りました。
まだわからないこと
ここはまだ不確か
権利意識は測っただけで、くじ引きで変えたわけではありません。恋人どうしに限った研究ではなく、恋愛関係で同じ結果になるかは今後の課題です。
出典: Exline, Baumeister, Bushman, Campbell, & Finkel (2004). Too proud to let go: narcissistic entitlement as a barrier to forgiveness. Journal of Personality and Social Psychology
メタ分析
どんな謝り方が許されやすい?
気持ちを込めた謝罪は、気持ちを示さない謝罪や何もしない場合より、許されやすい傾向がありました。
研究
どんな研究?
気持ちの表現をともなう謝罪について調べた22件の研究を、まとめて分析した研究です(メタ分析)。
結果
数字で見ると
22件をまとめると、気持ちを込めた謝罪は、気持ちのない謝罪や何もしない場合と比べて許されやすい傾向が確認されました。調べられた感情の種類は、まだ限られています。
まだわからないこと
ここはまだ不確か
調べられた感情の種類はまだ限られ、謝られた側・謝った側・見ていた人など、立場の違いを比べた研究も少ないと研究者自身が書いています。
出典: Russell, Hepper, Fasoli, Hopkins-Doyle, & Boone (2025). Examining the dynamic impact of emotional apologies on forgiveness. Emotion
実験
文字だけのやり取りは不利?
文字だけでも、好感が直接下がることはありませんでした。自分の話や質問が増えて、その両方が相手への好感を高めていたんです。
研究
どんな研究?
男女81組に、文字だけ・映像つき・対面の3つの条件に分かれて会話してもらった実験です。
結果
数字で見ると
81組の実験で、文字だけの条件では自己開示(自分のことを話す量)と直接の質問が増え、その両方が好感を高めていました。ただ、実験室での1回の会話で、片思いや長いお付き合いを調べたものではありません。
まだわからないこと
まだわからないこと
実験室での1回きりの会話で、人数も81組と多くありません。何度もやり取りが続く場合や、すでに気持ちがある相手との関係に当てはまるかはわかりません。
出典: Antheunis, Valkenburg, & Peter (2007). Computer-mediated communication and interpersonal attraction: An experimental test of two explanatory hypotheses. CyberPsychology & Behavior
観察研究
嫉妬するのは悪いこと?
嫉妬にも型があるんです。相手の実際の行動に反応する嫉妬は関係の質の高さと、根拠のない心配が続く嫉妬は質の低さと結びついていました。
研究
どんな研究?
295人(ゲイ男性・レズビアン・異性愛の男女)を対象に、嫉妬を「反応する」「不安からくる」「防ごうとする」の3つの型に分けて、関係の質とのつながりを調べました。
結果
数字で見ると
異性カップルでは、反応する嫉妬が強い人ほど関係の質が高めでした。不安からくる嫉妬は、異性カップルと男性同士のカップルで関係の質の低さと結びついていました。一時点の調査なので、どちらが原因かはわかりません。
まだわからないこと
まだわからないこと
295人への一時点の調査で、グループごとの人数は70人ほどと少なめです。嫉妬が関係の質を変えるのか、関係の質が嫉妬を変えるのかはわかりません。
出典: Barelds DPH, Dijkstra P (2006). Reactive, anxious and possessive forms of jealousy and their relation to relationship quality among heterosexuals and homosexuals. Journal of Homosexuality
観察研究
確かめずにいられないのはなぜ?
研究では、見捨てられる不安が強く、相手への信頼が低いときに、疑う気持ちや確かめる行動がずっと強くなっていました。
研究
どんな研究?
恋人がいる261人を調査しました。見捨てられる不安、相手への信頼、疑いの考えや確かめる行動(持ち物をのぞくなど)の関係を調べています。
結果
数字で見ると
不安が強く信頼が低い組み合わせで、疑いと確かめる行動がずっと強まっていました。この組み合わせは、暴力以外の攻撃(言葉や態度による攻撃)とも結びついていました。一時点の調査なので、因果関係はわかりません。
まだわからないこと
まだわからないこと
261人への一時点の調査で、どれが原因かはわかりません。すべて自己報告で、相手側の話は聞いていません。のぞき見などの行動も、実際に観察したものではありません。
出典: Rodriguez LM, DiBello AM, Øverup CS, Neighbors C (2015). The price of distrust: Trust, anxious attachment, jealousy, and partner abuse. Partner Abuse
観察研究
絵文字が多い人は恋も進みやすい?
つながりはありました。気になる相手に絵文字をよく使う人ほど、デートの回数が多かったんです。ただ、絵文字が原因とは言えません。
研究
どんな研究?
独身のアメリカ人5,327人に、デート候補とのメッセージでの絵文字の使い方と、過去1年の初デートの回数などを尋ねました。独身の275人に2つ目の調査も行っています。
結果
数字で見ると
絵文字をよく使う人ほど初デートが多く、2つ目の調査では2回目のデートや交際に進んだ割合も高めでした(オッズ比およそ1.3〜1.7)。相関関係なので、感情表現が豊かな人が絵文字も使いやすいという可能性も残ります。
まだわからないこと
まだわからないこと
米国の独身者へのオンライン調査で、すべて自己申告です。相関なので、絵文字を増やせばデートが増えるわけではありません。もともと気持ちを表に出しやすい人が、絵文字もよく使うだけかもしれません。
出典: Gesselman AN, Ta VP, Garcia JR (2019). Worth a thousand interpersonal words: Emoji as affective signals for relationship-oriented digital communication. PLoS One
観察研究
恋人のSNSを確かめると安心する?
安心につながるとは言えませんでした。研究では、SNSで嫉妬を感じやすい人ほど相手を確かめる行動も多く、その嫉妬が1年後の満足度の低さと結びついていました。
研究
どんな研究?
カナダの18〜29歳の交際中の322人に、2年間で3回アンケートに答えてもらいました。見捨てられる不安、SNS上の嫉妬、パートナーを確かめる行動、関係満足度の関係を調べています。
結果
数字で見ると
見捨てられる不安は1年後の満足度の低さと結びついていましたが、SNS上の嫉妬を考えに入れるとその結びつきは消えました。嫉妬が強い人ほど確かめる行動も多く、1年後の満足度の低さと結びついていたのは嫉妬のほうでした。
まだわからないこと
まだわからないこと
カナダの若い大人の自己報告だけで、相手の見方は聞いていません。観察研究なので因果はわかりません。確かめる行動そのものと1年後の満足度のつながりは、嫉妬を考えに入れると見られませんでした。
出典: Métellus S, Vaillancourt-Morel MP, Brassard A, Daspe MÈ (2025). Attachment Anxiety and Relationship Satisfaction in the Digital Era. Journal of Marital and Family Therapy
実験
許せない浮気は男女で違う?
聞き方しだいでした。研究では、男女差は2択で答えたときだけ見られ、ほかの測り方では差が出なかったんです。
研究
どんな研究?
2つの実験で、体の浮気と心の浮気への嫉妬を、2択とそれ以外の方法で測り、男女で比べました。考える余裕をなくす条件も試しています。
結果
数字で見ると
2択以外の測り方では男女差はなく、男女とも体の浮気により強い嫉妬を感じると答えました。考える余裕をなくす条件では、2択での差も消えました。仮定の場面への回答なので、現実の反応とは違う可能性があります。
まだわからないこと
まだわからないこと
仮定の場面を想像して答えてもらう実験です。実際に浮気をされたときの反応とは違うかもしれません。この男女差の議論は、その後も研究者の間で続いています。
出典: DeSteno D, Bartlett MY, Braverman J, Salovey P (2002). Sex differences in jealousy: Evolutionary mechanism or artifact of measurement? Journal of Personality and Social Psychology
観察研究
未読や既読でざわつくのはなぜ?
研究では、見捨てられる不安(愛着不安)の強さが嫉妬と結びついていました。性格の欠点というより、人との関わり方の傾向の一つです。
研究
どんな研究?
米国の大学生で交際中の84人に、愛着不安の強さと、あいまいなネット上の場面を想像したときの嫉妬(気持ち・考え・行動の3つの面)を尋ねました。
結果
数字で見ると
愛着不安の強さは、気持ち・考え・行動のすべての面の嫉妬と関連していました。このつながりは、ネットでのやり取りに不安や誤解の心配が少ない人ほど強めでした。
まだわからないこと
既読スルーの研究ではない
米国の大学生84人の1回の調査で、嫉妬はあいまいな場面を想像して答えたものです。未読・既読そのものは測っておらず、不安が嫉妬を生んだという因果も確かめていません。
出典: Sullivan KT (2021). Attachment Style and Jealousy in the Digital Age: Do Attitudes About Online Communication Matter? Frontiers in Psychology
観察研究
メッセージが多いほど仲がいい?
研究では逆の傾向でした。やり取り全体のうちメッセージの割合が多い人ほど、関係の満足度は低かったんです。
研究
どんな研究?
交際中の人を対象に、メッセージの量と、やり取り全体のうちメッセージが占める割合を、愛着の傾向(人との距離の取り方のくせ)や満足度とあわせて調べました。
結果
数字で見ると
メッセージの量そのものは満足度と関連せず、割合が多いほど満足度は低めでした。割合は、見捨てられる不安や距離を取りたい傾向とも関連していました。
まだわからないこと
減らせばよくなる?
1回のアンケートでわかったのは「割合が多い人ほど満足度が低い」という相関だけです。満足していない人がメッセージに頼りやすいだけかもしれず、どちらが原因かはわかりません。
出典: Luo S (2014). Effects of texting on satisfaction in romantic relationships: The role of attachment. Computers in Human Behavior
実験
好き避けでも好意は伝わる?
拒絶が怖い人ほど「好意は伝わっているはず」と思い込みやすいんです。実際には、相手にはそれほど伝わっていませんでした。
研究
どんな研究?
4つの研究で、拒絶を恐れる人が自分のアプローチをどう感じているかを調べました。愛着不安(見捨てられる不安)が強い人や、過去の拒絶を思い出してもらった人とも比べています。
わかったこと
数字で見ると
4つの研究で、拒絶を恐れる人ほど、自分のアプローチは実際以上に好意を伝えていると感じていました(シグナル増幅バイアス)。相手がこちらの遠慮を割り引いて見てくれる、と思い込むのが一因でした。
まだわからないこと
好き避けの研究ではない
好意をわざと隠す「好き避け」を調べたものではなく、控えめなアプローチがどう伝わるかの研究です。実験は主に北米の大学生で、恋人どうしの長い関係については調べていません。
出典: Vorauer JD, et al. (2003). Invisible overtures: Fears of rejection and the signal amplification bias. Journal of Personality and Social Psychology
観察研究
駆け引き上手は恋がうまくいく?
恋愛をゲームのように楽しむ傾向(ルダス)が強い人ほど、関係の満足度は低めでした。
研究
どんな研究?
92組の異性カップルに、恋愛観の傾向、二人でストレスに向き合う力、関係の満足度を答えてもらいました。
結果
数字で見ると
92組の調査で、情熱的な恋や献身的な恋の傾向は満足度の高さと、遊びの恋愛の傾向は満足度の低さと結びついていました。関連は女性で強めでした。相関の研究なので、駆け引きが満足度を下げたとまでは言えません。
まだわからないこと
原因かどうかは不明
スイスの92組のカップルが1回答えた調査です。遊びの恋愛観が満足度を下げたのか、満足していない人がそう答えやすいのかは区別できません。ほかの国や交際の初期での再現も確かめていません。
出典: Vedes A, et al. (2016). Love styles, coping, and relationship satisfaction. Personal Relationships
実験
冗談は文字でも伝わる?
送る側は、冗談や皮肉も文字で伝わると思い込みやすいんです。読み返すとき、自分の頭の中の声で再生してしまうからなんです。
研究
どんな研究?
5つの実験で、メールで文を送ってもらい、送る側が予想した伝わり方と、受け取る側の実際の受け取り方を比べました。
結果
数字で見ると
5つの実験で、人はメールで気持ちや口調を実際よりうまく伝えられると思い込んでいました。原因は、自分の視点から離れにくい「自己中心性」と考えられています。恋人どうしのLINEを調べたものではありません。
まだわからないこと
LINEでも同じ?
2005年ごろの米国の大学生のメールの実験です。スタンプや絵文字がある今のメッセージアプリで、同じくらいずれが起きるかはわかりません。親しい恋人どうしでどうなるかも調べていません。
出典: Kruger, J., et al. (2005). Egocentrism over e-mail: Can we communicate as well as we think? Journal of Personality and Social Psychology
実験
短い返事の句点は冷たく見える?
英語の実験では、短い返事の最後に句点をつけると、つけない場合より誠実さに欠けると受け取られていました。
研究
どんな研究?
短いやり取りを読んでもらい、返事の最後に句点があるかないかで、受け取り方を比べました。メッセージ画面の形と、手書きのメモの形の両方で調べています。
結果
数字で見ると
メッセージの形では、句点つきの返事は、つけない場合より誠実さに欠けると読まれました。手書きのメモでは、この差は見られませんでした。句点も気持ちを伝える手がかりの一つ、と論文は考えています。
まだわからないこと
日本語の「。」は?
英語の短いやり取りを大学生が読んで評価した実験です。日本語の句点で同じことが起きるかは調べておらず、時代や世代によって受け取り方が変わる可能性もあります。
出典: Gunraj, D. N., et al. (2016). Texting insincerely: The role of the period in text messaging. Computers in Human Behavior
メタ分析
文体が似ていれば関係は安泰?
大規模に確かめ直した研究では、言葉づかいの一致と関係の満足度の関連はごく小さかったんです。
研究
どんな研究?
5つの研究室の5つのデータ(計383組・766人)をまとめ、言葉づかいの一致と、満足度・関係を続けたい気持ちとの関連を調べました。
結果
数字で見ると
一致と満足度の関連は相関係数0.10とごく小さく、関係を続けたい気持ちとは関連が見られませんでした。すでに交際中のカップルを調べたもので、好意の始まりは見ていません。
まだわからないこと
はじまりの段階は?
すでに交際中のカップルを調べたもので、好意の始まりは見ていません。5つのデータでも合わせて383組と、小さな効果を確かめるにはまだ少ない人数です。
出典: Bierstetel, S. J., et al. (2020). Associations between language style matching and relationship commitment and satisfaction: An integrative data analysis. Journal of Social and Personal Relationships
観察研究
アプリのプロフィールは嘘だらけ?
身長・体重・年齢のずれは多くの人に見られましたが、ずれの大きさは小さめでした。
研究
どんな研究?
オンラインの恋愛サービスを使う80人のプロフィールにある身長・体重・年齢を、実際に測った値と比べました。
結果
数字で見ると
80人のうち多くの人にずれが見られましたが、小さなものでした。平均から離れている人ほど、ずれは大きめでした。本人たちも、写真がいちばん正確でないと答えていました。人数が少なく、ほかの項目は実測できていません。
まだわからないこと
80人の米国の調査
米国の利用者80人だけを調べた研究で、身長・体重・年齢以外のうそ(年収や性格など)は確かめていません。今のアプリでも同じかは別の話です。
出典: Toma, C. L., Hancock, J. T., & Ellison, N. B. (2008). Separating fact from fiction: An examination of deceptive self-presentation in online dating profiles. Personality and Social Psychology Bulletin
観察研究
プロフィール写真はどこまで本物?
本人は正確だと思っていても、第三者は約3分の1の写真を「実物と違う」と判断していました。
研究
どんな研究?
異性愛の利用者54人のプロフィール写真を、本人と第三者に評価してもらい、正確さを比べました。
結果
数字で見ると
54枚のうち約3分の1が、実物と違うと判断されました。女性の写真のほうが、修正やプロの撮影が多めでした。写真の枚数が少なく、写真加工が手軽になった今とは状況が違います。
まだわからないこと
2009年の54枚
異性愛の利用者54人の写真だけを見た研究です。加工アプリが当たり前の今、写真のずれがもっと大きいのか小さいのかは確かめられていません。
出典: Hancock, J. T., & Toma, C. L. (2009). Putting Your Best Face Forward: The Accuracy of Online Dating Photographs. Journal of Communication
実験
好きなのに避ける、って本当にある?
研究では、見捨てられる不安が強い人ほど、相手に「近づきたい」と「離れたい」を同時に抱きやすかったんです。
研究
どんな研究?
6つの研究で、愛着不安(見捨てられる不安)の強さと、交際相手への矛盾した気持ちとの関係を調べました。
結果
数字で見ると
愛着不安が強い人ほど、近づきたい気持ちと離れたい気持ちの矛盾が、意識の上でも無意識でも確認されました。なお「好き避け」は学術用語ではありません。
まだわからないこと
同じ研究者の6研究
同じ研究グループによる6つの研究で、ほかの研究者や国で同じ結果になるかは、この研究だけではわかりません。「好き避け」という言葉そのものを研究したわけではありません。
出典: Mikulincer, M., Shaver, P. R., Bar-On, N., & Ein-Dor, T. (2010). The pushes and pulls of close relationships: Attachment insecurities and relational ambivalence. Journal of Personality and Social Psychology
観察研究
けんかで距離を置くとどうなる?
研究では、親密さを避ける傾向(回避型の愛着)が強い人ほど、自分も相手も関係の満足度が低い傾向がありました。
研究
どんな研究?
18〜72歳の異性カップル175組に協力してもらい、回避型の愛着、けんかのときに距離を置く行動、二人それぞれの満足度を調べました。
結果
数字で見ると
回避型の傾向は、けんかで距離を置く行動と結びつき、本人の満足度の低さを一部説明していました。片方が引き、もう片方が責める組み合わせのときは、二人とも満足度が低めでした。
まだわからないこと
一度きりの調査
175組に一度だけ尋ねた調査で、愛着の傾向が満足度を下げるのか、満足度が低いから避けるのかは分けきれていません。同性カップルは含まれていません。
出典: Bretaña, I., Alonso-Arbiol, I., Recio, P., & Molero, F. (2022). Avoidant attachment, withdrawal-aggression conflict pattern, and relationship satisfaction: A mediational dyadic model. Frontiers in Psychology
観察研究
連絡が減ったら冷めたサイン?
頻度だけでは判断できません。通話データの研究では、間隔が空いた相手ほど次の通話が長くなる「埋め合わせ」が見られました。
研究
どんな研究?
研究チームが、ヨーロッパのある国の携帯電話の通話記録を分析しました。
結果
数字で見ると
もともと連絡の少ない相手同士では、前回の通話から間隔が空くほど、次の通話が長くなる傾向がありました。同性・同年代・離れて住むペアで目立ちました。
まだわからないこと
まだわからないこと
恋人同士に限った分析ではなく、通話の長さしか見ていません。気持ちを直接測ったわけではなく、メッセージアプリの時代にも同じかはわかりません。
出典: Bhattacharya, K., Ghosh, A., Monsivais, D., Dunbar, R. I. M., & Kaski, K. (2017). Absence makes the heart grow fonder: social compensation when failure to interact risks weakening a relationship. EPJ Data Science
実験
返信をじらすと効く?
研究では、じらされた側の「欲しい」気持ちは強まっても「好き」は下がりました。「欲しい」が強まったのも、相手がすでに本気のときだけでした。
研究
どんな研究?
2件の実験で、すぐに反応しない「じらし」が、相手の「欲しい」「好き」という気持ちにどう影響するかを調べました。
結果
数字で見ると
じらしの効果は、相手がすでに関係を続けたいと思っている場合に限られました。そうでない場合は、じらすほど「欲しい」も「好き」も下がりました。実験での反応なので、日常に当てはまるとは限りません。
まだわからないこと
まだわからないこと
2つの実験での短い反応を見たもので、実際の恋人やLINEのやり取りで試したわけではありません。長く続く関係への影響もわかりません。
出典: Dai, X., Dong, P., & Jia, J. S. (2014). When does playing hard to get increase romantic attraction? Journal of Experimental Psychology: General
観察研究
メッセージの多さと満足度は関係ある?
遠距離のカップルでは関係がありましたが、近くに住むカップルでは関連が見られませんでした。
研究
どんな研究?
遠距離・近距離で交際中の18〜25歳の学生647人(平均19.75歳)に、メッセージの頻度と、相手が応じてくれる感覚を聞きました。
結果
数字で見ると
遠距離ではメッセージが多いほど、また応じてくれる感覚が強いほど満足度が高めでした。近距離ではどちらも関連なし。返信の速さそのものは測っておらず、因果はわかりません。
まだわからないこと
まだわからないこと
カナダの心理学の授業を受ける大学生が中心で、約4分の3が女性です。一時点の調査なので、連絡が多いから満足なのか、その逆かはわかりません。
出典: Holtzman, S., Kushlev, K., Wozny, A., & Godard, R. (2021). Long-distance texting: Text messaging is linked with higher relationship satisfaction in long-distance relationships. Journal of Social and Personal Relationships
実験
親しい人なら文字でも伝わる?
書き手は、他人より友人のほうが正しく読んでくれると見込みましたが、友人の読み取りは他人より正確ではありませんでした。
研究
どんな研究?
メールの書き手と読み手の、自信と正確さを比べた3つの実験です。
結果
数字で見ると
書き手も読み手も「正しく伝わった・読めた」という自信は高かったものの、実際の正確さはそれに見合っていませんでした。恋愛関係の相手ではなく、友人と他人を比べた研究です。
まだわからないこと
まだわからないこと
実験で作ったメールのやり取りで、恋人どうしは対象外です。絵文字やスタンプを使う今のメッセージでも同じかはわかりません。
出典: Riordan & Trichtinger (2017). Overconfidence at the keyboard: Confidence and accuracy in interpreting affect in e-mail exchanges. Human Communication Research
実験
1語の返事に句点をつけるとどう見える?
英語の実験では、1語の返事(yup.など)に句点をつけると、つけない場合より誠実さに欠ける、素っ気ないと受け取られました。
研究
どんな研究?
「yup」のような1語の返事に句点がある場合とない場合で、どう受け取られるかを比べた研究です。
結果
数字で見ると
手書きのメモでは、この差は見られませんでした。句点そのものが悪いのではなく、1語のやり取りで句点を打つと「ぶっきらぼう」「これで終わり」という意図が伝わると結論づけています。
まだわからないこと
まだわからないこと
英語のメッセージでの実験で、日本語の「。」でも同じかはわかりません。要旨が読めず、後の研究による紹介で内容を確かめました。
出典: Houghton, Upadhyay, & Klin (2018). Punctuation in text messages may convey abruptness. Period. Computers in Human Behavior
実験
1語ずつ区切って送ると何が伝わる?
1語ごとに句点を打つ文や、1語ずつ別のメッセージに分けて送る文は、嫌悪やいら立ちを伝えると受け取られました。
研究
どんな研究?
アメリカの大学生80人・60人・78人を対象にした3つの実験で、「No. Just. Go」のような文の受け取られ方を調べました。
結果
数字で見ると
文字の打ち方が、話し言葉の間や調子の代わりになっている可能性があると著者らは考えています。用意した文を評価してもらう実験で、実際のやり取りの中での受け取り方とは違う可能性があります。
まだわからないこと
まだわからないこと
英語の文で、アメリカの1つの大学の学生だけの結果です。日本語のLINEでも同じかや、親しい相手どうしで受け取り方が変わるかはわかりません。
出典: Poirier, Cook, & Klin (2025). Read. This. Slowly: Mimicking spoken pauses in text messages. Frontiers in Psychology
ランダム化比較試験
落ち込んだ相手、文字で励ますと?
ストレスのかかる課題のあと、対面で励まされたほうが、文字で励まされるより前向きな気分が高くなっていました。
研究
どんな研究?
若い成人を対象にした2つの実験です。実験1は親しい友人から(64人)、実験2は同年代の協力者から(188人)、対面か文字メッセージで励ましを受けました。
結果
数字で見ると
どちらの実験でも、対面の励ましのほうが前向きな気分が高くなりました。励ましへの満足度の差が出たのは実験2だけで、実験室での短い場面の比較です。
まだわからないこと
まだわからないこと
実験室での短い場面の比較で、若い成人だけです。長いつきあいの恋人や、電話・ビデオ通話との比較は調べていません。
出典: Holtzman, DeClerck, Turcotte, Lisi, & Woodworth (2017). Emotional support during times of stress: Can text messaging compete with in-person interactions? Computers in Human Behavior
観察研究
信頼と結びつく嫉妬もある?
感情としての「反応する嫉妬」は、相手への信頼や、関係に頼る度合いの高さと結びついていました。
研究
どんな研究?
2つの研究で、感情としての「反応する嫉妬」と、疑いや確かめる行動を含む「疑いの嫉妬」を比べた研究です。
結果
数字で見ると
疑いの嫉妬は、不安定さ、不安や回避の強い愛着、自己価値の低さと結びついていました。同じ嫉妬でも、型によって関係への意味が違っていました。自己回答の相関研究です。
まだわからないこと
まだわからないこと
自己回答の一時点の相関研究で、どちらが原因かはわかりません。2007年の研究で、ほかの国や年代で再現されたかは確かめていません。
出典: Rydell & Bringle (2007). Differentiating reactive and suspicious jealousy. Social Behavior and Personality
観察研究
相手の交友を防ぎたくなる嫉妬とは?
相手が他の人と接すること自体を防ごうとする「防ごうとする嫉妬」を最もよく予測したのは、マキャベリズムでした。
研究
どんな研究?
680人を対象に、明るい性格特性と暗い性格特性が、3つの嫉妬の型とどう結びつくかを調べた研究です。
結果
数字で見ると
マキャベリズムとは、人を操作しようとする傾向のことです。防ごうとする嫉妬は自己愛や神経症傾向とも結びついていて、ほかの嫉妬より「暗い」面があるかもしれないと著者らは考えています。
まだわからないこと
まだわからないこと
一時点の自己回答の調査です。性格の傾向との関連を見たもので、一人ひとりの嫉妬の理由を決めつけるものではありません。
出典: Barelds & Dijkstra (2021). Exploring the link between bright and dark personality traits and different types of jealousy. Psychological Topics
観察研究
嫉妬しやすさに性格は関わる?
神経症傾向(不安や落ち込みの感じやすさ)が高い人ほど、嫉妬が強くなっていました。
研究
どんな研究?
847人を対象に、大人の愛着スタイルと性格が、恋愛での嫉妬をどう予測するかを調べた研究です。
結果
数字で見ると
神経症傾向と嫉妬の結びつきの一部は、不安の強い愛着や相手に頼る傾向を通して説明されていました。協調性や開放性の低さも嫉妬の強さと関係していました。
まだわからないこと
まだわからないこと
一時点の自己回答で、性格が嫉妬を生むのかはわかりません。性別や交際状況、浮気された経験による違いは見られませんでした。
出典: Richter, Schlegel, Thomas, & Troche (2022). Adult attachment and personality as predictors of jealousy in romantic relationships. Frontiers in Psychology
レビュー
謝らない人の心にあるハードルは?
質の高い謝罪を妨げる要因は、相手や関係への関心の低さ、自己イメージへの脅威、謝罪は効果がないという思い込みの3つに整理されています。
研究
どんな研究?
心理学者カリーナ・シューマン氏が、謝罪に関する近年の研究をまとめたレビュー論文です。
結果
わかったこと
質の高い謝罪は仲直りに大きく役立つのに、形だけの謝罪や、謝らない・言い返すことを選ぶ人がいます。謝ると自分の評価が下がる、謝っても無駄だ、と感じることがその背景にあるとされます。
まだわからないこと
整理であって実験ではない
既存の研究を整理した短いレビューで、新しいデータを示したものではありません。3つのハードルのどれがどれくらい強いのか、ハードルを下げる方法が実際に効くのかは、今後の研究課題とされています。
出典: Schumann (2018). The Psychology of Offering an Apology: Understanding the Barriers to Apologizing and How to Overcome Them. Current Directions in Psychological Science
レビュー
許す・許さないで関係はどう変わる?
許すか罰するかがその後の関係にどう響くかは、傷ついた側の動機と、相手の受け取り方の組み合わせで変わると提唱されています。
研究
どんな研究?
これまでの研究を整理し、許しの反応とその後の関係を説明する枠組みを示した理論論文です。
結果
わかったこと
許すにも罰するにも、関係を大事にしたい・自分を守りたい・相手を傷つけたい、という動機がありえます。その動機を相手がどう受け取るかで、関係への影響が変わると考えます。
まだわからないこと
まだ枠組みの段階
これまでの研究から作った理論の提案で、この枠組みどおりになるかを確かめるデータはこの論文では示されていません。恋人どうしに限った話でもありません。
出典: Gollwitzer & Okimoto (2021). Downstream Consequences of Post-Transgression Responses: A Motive-Attribution Framework. Personality and Social Psychology Review
観察研究
迫る・引くのすれ違いはなぜ起きる?
愛着が不安定な人を含むカップルは、望む近さのずれも、迫る・引くのやり取り(要求-回避)も大きくなっていました。
研究
どんな研究?
147組のカップルに質問紙で調べた研究です。愛着(親しい人との関係で安心できるかどうかの傾向)と、要求-回避の関係を見ました。
結果
数字で見ると
愛着が不安定な人を含むカップルは、二人とも安定したカップルに比べて、望む近さのずれも要求-回避も大きいという結果でした。
まだわからないこと
自己申告の調査
147組の自己申告による一時点の調査で、どちらが先に起きるかはわかりません。メッセージのやり取りそのものを調べた研究でもありません。
出典: Millwood & Waltz (2008). Demand-withdraw communication in couples: An attachment perspective. Journal of Couple & Relationship Therapy
観察研究
どんなメッセージが関係に響く?
愛情を伝えるメッセージは相手への愛着の高さと関連し、男性が相手を傷つけるメッセージを送ることは、関係の満足度や安定の低さと関連していました。
研究
どんな研究?
交際中の18〜25歳276人に、メッセージなどの使い方と関係について調べた研究です。
結果
数字で見ると
男性のメッセージの頻度が高いほど二人の満足度と安定が低く、女性の頻度が高いほど本人の安定が高いという、男女で逆の結果も出ました。SNSの使い方とは、はっきりした関連は見られませんでした。
まだわからないこと
一時点の調査
一時点の調査で、関係が不安定だからメッセージの使い方が変わるのか、その逆かは区別できません。探索的な分析で、2013年ごろのメッセージ事情にもとづいています。
出典: Schade et al. (2013). Using technology to connect in romantic relationships: Effects on attachment, relationship satisfaction, and stability in emerging adults. Journal of Couple & Relationship Therapy
観察研究
LINEの多さは満足度と関係ある?
遠距離の人では、メッセージの多さと相手の応じ方のよさが満足度と結びついていました。近くに住む人では、どちらも関連しませんでした。
研究
どんな研究?
交際中や恋愛関係にある18〜25歳647人を調べた研究です。うち36.5%が遠距離で、心理学の授業を受ける大学生が中心でした。
結果
数字で見ると
遠距離ではメッセージの多さも応じ方のよさも満足度の高さと結びつき、近距離ではどちらも関連なしでした。送る回数の効果は状況しだいといえます。1問ずつの自己申告で、相関を見た研究のため因果はわかりません。
まだわからないこと
どこまで言える?
カナダの心理学の授業を受ける学生の一時点の調査で、多くは女性でした。メッセージの多さも応じ方も1問ずつの自己申告で、送る回数を増やせば満足度が上がるかはわかりません。
出典: Holtzman, Kushlev, Wozny, & Godard (2021). Long-distance texting: Text messaging is linked with higher relationship satisfaction in long-distance relationships. Journal of Social and Personal Relationships
レビュー
同じ絵文字、同じ意味で届いてる?
同じ絵文字でも、送った人と受け取った人で感じ方がずれることがあります。絵文字の数だけで気持ちを決めつけるのは危ういといえます。
研究
どんな研究?
絵文字に関する167本の論文をまとめたレビューです。絵文字が気持ちを伝える働きと、受け取り方のずれを整理しました。
結果
数字で見ると
ネガティブな意味合いの絵文字では、送り手と受け手の受け取り方が26%ずれることがあるという研究が紹介されています。機種やアプリで絵文字の見た目が変わることも一因とされます。レビュー論文で、新しい実験データではありません。
まだわからないこと
どこまで言える?
26%は1つの研究の数字を紹介したもので、このレビューが自分で確かめたものではありません。恋愛の場面に限った話でもなく、絵文字の数と好意の関係は調べていません。
出典: Bai, Dan, Mu, & Yang (2019). A systematic review of emoji: Current research and future perspectives. Frontiers in Psychology
実験
文体を合わせるのはわざと?
人は自然と相手の言葉づかいに合わせていましたが、文体の一致を意図的に高めることはできませんでした。
研究
どんな研究?
大学生1,744人ほかが、さまざまな文体の質問文に答える課題を行った研究です。言葉づかいがどう合っていくかを調べました。
結果
数字で見ると
参加者は自然と質問文の言葉づかいに合わせていましたが、意図的に一致を高めることはできませんでした。第三者が「似ている」と判断したのは話の中身の一致で、機能語の一致ではありませんでした。文章課題の結果で、恋愛の場面ではありません。
まだわからないこと
どこまで言える?
文章を書く課題と、有名な作家の手紙を調べた研究です。恋愛のメッセージで文体が合うことが好意を示すかは、この研究では調べていません。
出典: Ireland & Pennebaker (2010). Language style matching in writing: Synchrony in essays, correspondence, and poetry. Journal of Personality and Social Psychology
観察研究
言葉が似てくるのはいいサイン?
悩みを支える会話では、言葉づかいが一致するほど前向きな気持ちが多くなりました。一方、二人の問題を話す場面では、批判的な言動が多くなっていました。
研究
どんな研究?
カップル91組に、二人の間の問題か、片方の個人的な悩みについて話し合ってもらい、録画した研究です。
結果
数字で見ると
二人の問題を話し合う場面では、一致が高いほど批判的・否定的な言動が多く、相手が気持ちに応えてくれているという感覚は低めでした。一致は好意の証拠というより、会話の調子を強めるものといえます。1回の話し合いの録画です。
まだわからないこと
どこまで言える?
カップル91組の1回の話し合いを見た研究で、相関を見たものです。言葉の一致が会話の調子を強めたのか、その逆かは区別できません。文字のやりとりでも同じかはわかりません。
出典: Bowen, Winczewski, & Collins (2017). Language style matching in romantic partners' conflict and support interactions. Journal of Language and Social Psychology
観察研究
敬語がタメ口になるのはどんなとき?
初対面の会話でも、相手の話に感心したときや気持ちを打ち明けるときに、タメ口への切り替えが起きやすいと報告されています。
研究
どんな研究?
台湾人の日本語学習者の初対面の会話を調べた論文で、比べる相手として、著者が以前に分析した日本語母語話者同士の会話8組・3,467発話のまとめを示しています。
結果
数字で見ると
母語話者同士では、発話の15.1%がタメ口(だ体)でした。相手の話に感心するときの発話の74.3%、自分の気持ちを打ち明けるときの95.7%がタメ口で、親しみを示す働きがあるとされます。恋愛感情との関係は調べていません。
まだわからないこと
どこまで言える?
数字は著者の2003年の研究の8組をまとめ直したもので、人数は多くありません。初対面の会話の分析で、タメ口が恋愛の好意を示すかは調べていません。
出典: 陳文敏 (2004). 台湾人上級日本語学習者の初対面接触会話におけるスピーチレベル・シフト. 日本語教育論集
観察研究
SNSを見るほど嫉妬は増える?
Facebookの利用時間が長い人ほど、Facebookに関連する嫉妬を感じやすいという関連が確認されました。
研究
どんな研究?
大学生308人を対象にしたオンライン調査です。個人の性格や関係の特徴を統制したうえで、SNSの利用と嫉妬の関係を調べました。
結果
数字で見ると
性格や関係の特徴を統制しても、利用時間が長い人ほど嫉妬を感じやすい関連がありました。著者らは、曖昧な情報が嫉妬を呼び、嫉妬がさらに確認を増やす「悪循環」の可能性を指摘しています。横断的な調査で、どちらが先かはわかりません。
まだわからないこと
どこまで言える?
大学生の一時点の調査で、Facebookの時間が嫉妬を生んだのか、嫉妬が利用を増やしたのかは区別できません。2009年の研究で、今のSNSでも同じかは確かめられていません。
出典: Muise, Christofides, & Desmarais (2009). More Information Than You Ever Wanted: Does Facebook Bring Out the Green-Eyed Monster of Jealousy? Cyberpsychology & Behavior
観察研究
体の浮気と心の浮気、10代でも差がある?
2択で聞くと、10代でも男子の方が女子より、体の浮気をつらいと答えていました。大人を対象にした研究と同じ傾向です。
研究
どんな研究?
16〜19歳の高校生1,266人に、浮気の場面を2択で答えてもらった研究です。
結果
数字で見ると
男子の方が女子より、体の浮気をつらいと答えました。年齢や恋人の有無、性経験は、この差に影響していませんでした。2択の回答方式のみで、実際の浮気への反応を見たものではありません。
まだわからないこと
どこまで言える?
2択で答える方式だけを使った研究で、選び方しだいで差が出やすいことが知られています。1つの地域の高校生で、もっと若い年代でいつ差が出るかもわかっていません。
出典: Larsen et al. (2021). Investigating the emergence of sex differences in jealousy responses in a large community sample from an evolutionary perspective. Scientific Reports
メタ分析
恋敵のどこに嫉妬しやすい?
恋敵の外見の魅力には、女性の方がわずかに強く嫉妬する傾向がありました。恋敵の強さや支配性への反応には、男女差は確認されませんでした。
研究
どんな研究?
339人と456人の2つの再現研究と、合計5,899人分のメタ分析を組み合わせた研究です。
結果
数字で見ると
恋敵の外見の魅力に対しては、女性の方がわずかに強く嫉妬する傾向でした。一方、恋敵の強さや支配性への反応に男女差は確認されませんでした。効果は小さく、個人差の方が大きいとされています。
まだわからないこと
どこまで言える?
場面を読んで想像する方式の研究で、実際の恋敵への反応を見たものではありません。男女差は小さく、同じ性別の中での個人差のほうがずっと大きいとされます。
出典: Pollet & Saxton (2020). Jealousy as a Function of Rival Characteristics. Personality and Social Psychology Bulletin
実験
「嫌われたかも」は相手のせい?
拒絶の危険がある場面では、自尊心が低い人ほど相手からの受け入れを低く見積もっていました。相手が見せた手がかりは、全員同じでした。
研究
どんな研究?
異性との出会いに拒絶の危険がある状況をつくり、相手からの受け入れをどう感じるかを比べた5つの実験です。
結果
数字で見ると
自尊心が高い人は受け入れを高く見積もり、好かれる行動も増やしていました。拒絶の危険がない状況では、この差は完全に消えました。実験室での結果で、実際の交際の中で確かめたものではありません。
まだわからないこと
どこまで言える?
実験室で、出会いの場面を作って調べた研究です。実際の交際の中で同じことが起きるかは確かめられていません。
出典: Cameron, Stinson, Gaetz, & Balchen (2010). Acceptance is in the eye of the beholder: Self-esteem and motivated perceptions of acceptance from the opposite sex. Journal of Personality and Social Psychology
実験
好意を打ち明けるのはかっこ悪い?
恋愛感情を打ち明けるなど「弱さを見せる」ことを、自分がするときは否定的に、他人がするときは肯定的に評価していました。
研究
どんな研究?
恋愛感情を打ち明ける、助けを求めるといった場面を、自分がする場合と他人がする場合で比べた7つの研究です。
結果
数字で見ると
研究チームはこのずれを「ビューティフル・メス効果」と呼びました。実際の場面でも同じ傾向が確かめられています。評価のずれを調べた研究で、打ち明けたあと関係がうまくいくかは調べていません。
まだわからないこと
どこまで言える?
自分と他人の評価のずれを見た研究です。打ち明けたあとに関係がうまくいくかは調べていません。ほかの国や、相手との関係の深さで結果が変わるかもわかりません。
出典: Bruk, Scholl, & Bless (2018). Beautiful mess effect: Self-other differences in evaluation of showing vulnerability. Journal of Personality and Social Psychology
レビュー
からかいが攻撃に聞こえるのはなぜ?
からかう人はふつう「本気ではない」という合図を添えます。著者らは、合図が少ないと、からかいは文字どおりの攻撃として受け取られやすいと整理しています。
研究
どんな研究?
発達心理学・社会心理学・人類学などの既存研究を広く集め、からかいを整理したレビューです。
結果
わかったこと
合図の例は、大げさな言い方や表情、歌うような声、笑いなどでした。また、立場が上の人や身近な人、男性からのからかいは、多く、きつくなりやすい傾向がありました。
まだわからないこと
数でまとめた研究ではない
既存の研究を言葉で整理したレビューで、数字で効果をまとめたものではありません。子どもや職場の研究が多く、恋人どうしのからかいを調べたものではありません。
出典: Keltner, Capps, Kring, Young, & Heerey (2001). Just teasing: A conceptual analysis and empirical review. Psychological Bulletin
観察研究
楽しいからかいと傷つくからかいの差は?
楽しいからかいは、お互いに言い返し合える対等なものでした。傷つくからかいには力の差があり、一方的にくり返されていました。
研究
どんな研究?
カナダ・オンタリオ州の18〜25歳の大学生27人に、思春期の楽しかったからかいと傷ついたからかいを振り返ってもらった聞き取り調査です。
結果
わかったこと
「何年も一緒に笑っていたけど、心の中では嫌だった」という声もありました。相手が笑っていても、平気だとは限りません。
まだわからないこと
27人の聞き取り
カナダの大学生27人が思春期をふり返った聞き取り調査で、割合や因果は示していません。恋人どうしのからかいを調べたものでもありません。
出典: Andrews & Dawes (2025). "I laughed along for years but hated it inside:" Understanding nuance in peer teasing experiences using a thematic analysis. Journal of Adolescence
観察研究
「見られてるかも」で行動は変わる?
「誰かに見られているかもしれない」という想像が、SNSでの自分の見せ方を左右していました。
研究
どんな研究?
18〜24歳の大学生28人に、SNSでの自分の見せ方についてインタビューした研究です。
結果
わかったこと
家族・先生・将来の雇い主などの目を想像して、公開範囲の設定、投稿の自己チェック、別アカウントの使い分けで対応していました。
まだわからないこと
28人の聞き取り
アメリカの大学生28人への聞き取りで、割合や因果はわかりません。ストーリーの閲覧が相手への好意を示すかは調べていません。
出典: Duffy & Chan (2019). "You never really know who's looking": Imagined surveillance across social media platforms. New Media & Society