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EVIDENCE / 食事と脳

食事と脳の研究まとめ

食事と脳について、研究でわかったことを5本、元の論文の出典つきでまとめています。わかったことだけでなく、研究の限界や「まだわからないこと」も書いています。

ランダム化比較試験

食事を見直すと、うつ症状が軽くなる?

地中海式に近い食事の改善は、うつ病の治療を助ける可能性があります。ただし小規模な初期の試験で、確定ではありません。

研究

どんな研究?

オーストラリアで中等度から重度のうつ病の成人67人を無作為に2群へ。12週間、栄養士の食事指導か、同じ回数の雑談(社会的支援)のどちらかを受けました。

結果

数字で見ると

12週後の寛解は食事群32.3%、雑談群8.0%。うつ症状の改善も食事群が大きく、効果量はd=1.16でした。人数が少なく、追試は続いています。

出典: Jacka et al., "A randomised controlled trial of dietary improvement for adults with major depression (the 'SMILES' trial)" (BMC Medicine, 2017)

メタ分析

朝食を食べればやせる、は本当?

朝食は減量の助けにならないようです。むしろ1日の摂取エネルギーが増える傾向が、ランダム化試験の統合で示されました。

研究

どんな研究?

高所得国の成人で、朝食を食べる群と抜く群を比べたランダム化比較試験13件を統合したメタ分析です。体重は7件、摂取エネルギーは10件が対象でした。

結果

数字で見ると

体重は朝食を抜いた群のほうが平均0.44kg軽く、朝食群の総摂取量は1日約260kcal多めでした。試験間のばらつきは大きい点に注意です。

出典: Sievert et al., "Effect of breakfast on weight and energy intake: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials" (BMJ, 2019)

メタ分析

水分不足で、頭の働きは落ちる?

体重の2%を超える脱水では、注意力や実行機能が少し落ちます。のどが渇く前の水分補給には意味がありそうです。

研究

どんな研究?

脱水状態と通常状態で認知課題の成績を比べた33件の研究、計413人分のデータを統合したメタ分析です。脱水の程度は体重の1〜6%でした。

結果

数字で見ると

全体の効果は小さいものの有意で、効果量は-0.21。注意課題は-0.52と大きめでした。体重減少が2%超だと-0.28、2%以下は-0.14でした。

出典: Wittbrodt & Millard-Stafford, "Dehydration Impairs Cognitive Performance: A Meta-analysis" (Medicine & Science in Sports & Exercise, 2018)

あわせて読む水は1日8杯飲まなきゃダメ?水分は渇いたら飲めば足りるが、不足すると頭の働きは落ちる

観察研究

適度なお酒でも、脳は縮みやすくなる?

英国の30年追跡では、適度な飲酒でも海馬の萎縮と関連しました。少量飲酒が脳を守るという裏づけは見つかりませんでした。

研究

どんな研究?

英国の公務員コホート(Whitehall II)の550人を、平均43歳から約30年追跡。飲酒量を繰り返し記録し、最後にMRIで脳の構造を調べた観察研究です。

結果

数字で見ると

週14〜21ユニットの飲酒者は、禁酒者より右の海馬が萎縮するオッズが3.4倍。週30ユニット超は5.8倍でした。軽い飲酒の保護効果は不明です。

出典: Topiwala et al., "Moderate alcohol consumption as risk factor for adverse brain outcomes and cognitive decline: longitudinal cohort study" (BMJ, 2017)

観察研究

甘いものを食べると、気分は沈みやすくなる?

甘い食べ物や飲み物が多い男性は、5年後に気分の不調を抱えやすい傾向がありました。ただし観察研究で因果は断定できません。

研究

どんな研究?

英国のWhitehall II研究で、食事頻度調査と気分の質問票を繰り返し集めた約2万3千件のデータを解析。砂糖摂取と、その後の精神的不調との関連を調べました。

結果

数字で見ると

砂糖摂取が最も多い群の男性は、5年後に一般的な精神的不調が出るオッズが23%高めでした。気分が先に食事を変える逆の因果は見られませんでした。

出典: Knüppel et al., "Sugar intake from sweet food and beverages, common mental disorder and depression: prospective findings from the Whitehall II study" (Scientific Reports, 2017)

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