SEADICE / EVIDENCE / 色彩心理
EVIDENCE / 色彩心理
色彩心理の研究まとめ
色彩心理について、研究でわかったことを5本、元の論文の出典つきでまとめています。わかったことだけでなく、研究の限界や「まだわからないこと」も書いています。
レビュー
「赤は注意力、青は創造力」は本当に再現された?
有名な「赤で注意力、青で創造力」説は、同じ手順で3倍以上の人数を集めた再現実験で、効果が確認されなかった。
研究
どんな研究?
2009年にScienceで報告された、赤い背景ではミス発見、青い背景では発想が得意になるという説のうち、アナグラム課題を同じ条件で、元研究の3倍超の人数で再現した実験。
結果
分かったこと
再現実験では、赤と青の背景色によるアナグラムの解答時間の差は示されず、元の効果は確認されなかった。色の効果をそのまま信じるのは危うい、という教訓になる。
出典: Steele, "Failure to Replicate the Mehta and Zhu (2009) Color-Priming Effect on Anagram Solution Times" (Psychonomic Bulletin & Review, 2014)
実験
緑色を一瞬見ると発想力が上がる?
創造性課題の前に緑色を一瞬見ると、白・灰・赤・青を見た時より創造的な成績が上がったと報告されている。独立した追試は少ない。
研究
どんな研究?
独、米の研究チームが4つの実験で、課題の前に緑や白・灰・赤・青を一瞬見せ、絵や言葉を使った創造性課題の成績を比べた。参加者は実験の目的を知らされていない。
結果
分かったこと
4つの実験すべてで緑の群は創造的な成績が高く、気分や活性化の自己評価には差がなかった。ただし色彩心理の効果は再現されないことも多く、慎重に見るべき結果。
出典: Lichtenfeld, Elliot, Maier & Pekrun, "Fertile Green: Green Facilitates Creative Performance" (Personality and Social Psychology Bulletin, 2012)
メタ分析
赤を見るとテスト成績が下がる説は本当?
「赤を見ると成績が下がる」という有名な説は、その後の追試を統合した分析では、確かな証拠が得られていない。
研究
どんな研究?
ドイツの研究者が、赤色を見た後と別の色を見た後のテスト成績を比べた研究を集め、38のサンプル、67の効果量を統合して分析したメタ分析。
結果
分かったこと
アナグラムと知識テストでは差がほぼゼロで、初期の研究ほど効果が大きかった。出版バイアスを補正すると、赤が知的成績を下げる証拠は残らなかった。
出典: Gnambs, "Limited Evidence for the Effect of Red Color on Cognitive Performance: A Meta-Analysis" (Psychonomic Bulletin & Review, 2020)
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実験
夜間に浴びる光のうち、青系の波長の光が最も強く、眠りに関わるホルモンのメラトニンを抑えることが示された。光の色は体内時計に影響する。
研究
どんな研究?
72人の健康な成人に、深夜2時から3時半の間、420〜600ナノメートルの単色光を浴びてもらい、波長ごとのメラトニン抑制の強さを計測した(試験627回)。
結果
分かったこと
メラトニンの抑制が最も強かったのは446〜477ナノメートル、つまり青い光の領域だった。目の視覚とは別の光センサーが関与すると示唆された。
出典: Brainard, Hanifin, Greeson, Byrne, Glickman, Gerner & Rollag, "Action Spectrum for Melatonin Regulation in Humans: Evidence for a Novel Circadian Photoreceptor" (Journal of Neuroscience, 2001)
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実験
黄色は他の色より「先に見える」と感じやすい?
明るさをそろえた色同士を見比べると、黄色は青や赤より先に現れたように感じられやすい。黄色が警告に使われる理由の一つかもしれない。
研究
どんな研究?
明るさと覚醒度を合わせた色のペアを短い時間差で提示し、どちらが先に現れたかを答えさせる「時間順序判断課題」で、黄色・青・赤を比べた実験。
結果
分かったこと
黄色と青を組み合わせると、実際は黄色が後でも、黄色が先に見えたと答える傾向が一貫していた。赤との組み合わせでも黄色が優先された。
出典: Hu, De Rosa & Anderson, "Yellow Is for Safety: Perceptual and Affective Perspectives" (Psychological Research, 2020)