SEADICE / EVIDENCE / マインドフルネス

EVIDENCE / マインドフルネス

マインドフルネスの研究まとめ

マインドフルネスについて、研究でわかったことを6本、元の論文の出典つきでまとめています。わかったことだけでなく、研究の限界や「まだわからないこと」も書いています。

実験

たった4回の瞑想トレーニングでも認知力は上がる?

瞑想の経験がない人でも、短い瞑想トレーニングで作業記憶や実行機能が向上した。ただし小規模な初期研究である。

研究

どんな研究?

瞑想経験のない人を、瞑想トレーニング群と「朗読を聴く」対照群に分け、4回のセッション後に気分・言語流暢性・視覚処理・作業記憶を比べた。

結果

分かったこと

両群とも気分は改善したが、疲労と不安が減り、視空間処理・作業記憶・実行機能が有意に向上したのは瞑想群だけだった。

出典: Zeidan, Johnson, Diamond, David & Goolkasian, "Mindfulness Meditation Improves Cognition: Evidence of Brief Mental Training" (Consciousness and Cognition, 2010)

観察研究

心がさまようと、人は不幸になりやすい?

人は起きている時間の約47%で、今していること以外を考えており、そのときの方が幸福度は低かった。

研究

どんな研究?

ハーバード大学の研究チームが、18〜88歳の2250人にiPhoneアプリで1日に数回、今の行動・思考・幸福度を尋ね、日常生活のデータを集めた。

結果

数字で見ると

目の前のこと以外を考えていた時間は46.9%。何を考えていても、さまよっているときは幸福度が低く、時間差の分析は、心の迷走が不幸感に先行することを示唆した。

出典: Killingsworth & Gilbert, "A Wandering Mind Is an Unhappy Mind" (Science, 2010)

ランダム化比較試験

感謝を書き出すと気持ちは前向きになる?

感謝していることを書き出す習慣は、ポジティブな感情を高める傾向があった。ただし効果の大きさは項目により異なる。

研究

どんな研究?

参加者を「感謝リスト」「イライラしたことのリスト」「中立的な出来事や比較のリスト」の条件にランダムに分け、週ごと・日ごとに気分や健康状態を記録させた。

結果

分かったこと

感謝を書いた群は、複数の指標で比較群より幸福感が高かった(全ての指標ではない)。特にポジティブな感情への効果が最も安定していた。

出典: Emmons & McCullough, "Counting Blessings Versus Burdens: An Experimental Investigation of Gratitude and Subjective Well-Being in Daily Life" (Journal of Personality and Social Psychology, 2003)

あわせて読む幸せになる練習には、本当に効果がある?感謝の書き出しの実験と、幸せの練習全体のまとめ

ランダム化比較試験

瞑想はプラセボとは違う仕組みで痛みを和らげる?

マインドフルネス瞑想は、プラセボ鎮痛や偽の瞑想より痛みの強さと不快感を下げ、痛みを和らげる脳の働き方も異なることが実験で示された。

研究

どんな研究?

健康な成人75人を、瞑想、プラセボ条件づけ、偽の瞑想、オーディオブック聴取の対照の4群に無作為に分け、4日間の介入後に痛み刺激への評価と脳活動をfMRIで調べた。

結果

分かったこと

3つの介入はいずれも対照より痛みを減らしたが、瞑想はプラセボや偽の瞑想より痛みの強さと不快感を下げた。関わる脳領域も異なっていた。

出典: Zeidan, Emerson, Farris, Ray, Jung, McHaffie & Coghill, "Mindfulness Meditation-Based Pain Relief Employs Different Neural Mechanisms Than Placebo and Sham Mindfulness Meditation-Induced Analgesia" (Journal of Neuroscience, 2015)

メタ分析

マインドフルネスはうつの再発を防ぐのに役立つ?

繰り返すうつ病の人が、マインドフルネス認知療法(MBCT)を受けると、受けなかった人より60週間の再発リスクが下がった。

研究

どんな研究?

9つの無作為化比較試験に参加した計1,258人の個人データを統合したメタ分析。MBCTを受けた人と、受けなかった人の再発を比べた。

結果

数字で見ると

MBCTを受けた人は、受けなかった人より60週間以内の再発リスクが低く、ハザード比は0.69だった。再発リスクが約3割低い計算になる。

出典: Kuyken, Warren, Taylor, Whalley, Crane, Bondolfi et al., "Efficacy of Mindfulness-Based Cognitive Therapy in Prevention of Depressive Relapse: An Individual Patient Data Meta-analysis From Randomized Trials" (JAMA Psychiatry, 2016)

あわせて読む瞑想プログラムは、不安やうつにどのくらい効くのか?瞑想の効果のまとめと、うつの再発予防の試験

メタ分析

瞑想プログラムは、不安やうつにどのくらい効くのか?

瞑想(マインドフルネス)プログラムは、不安・うつ・痛みに、小さめから中程度の改善効果がありました。ただし運動や薬など他の治療より優れる証拠はありません。

研究

どんな研究?

瞑想プログラムを調べたランダム化比較試験のうち、偽薬効果をコントロールした47件・計3,515人のデータを統合したメタ分析。約1万8,700件の文献から選びました。

結果

数字で見ると

8週時点の効果量は不安0.38、うつ0.30、痛み0.33でした。証拠の強さは中程度で、他の治療法より優れるという証拠は見つかっていません。

出典: Goyal et al., "Meditation Programs for Psychological Stress and Well-being: A Systematic Review and Meta-analysis" (JAMA Internal Medicine, 2014)

あわせて読むマインドフルネスはうつの再発を防ぐのに役立つ?瞑想の効果のまとめと、うつの再発予防の試験

スワイプで1本ずつ読めるアプリもあります。気になった話は、出典つきで友だちに送れます。

EVIDENCEアプリ(無料)

ほかの分野