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EVIDENCE / 習慣形成

習慣形成の研究まとめ

習慣形成について、研究でわかったことを8本、元の論文の出典つきでまとめています。わかったことだけでなく、研究の限界や「まだわからないこと」も書いています。

観察研究

習慣になるまで何日かかるのか?

「21日」という俗説と違い、この研究では行動が自動化するまでに平均66日かかり、人や行動で大きくばらついた。

研究

どんな研究?

ロンドン大学(UCL)の研究チームが、96人に食事・飲み物・運動のいずれかの行動を12週間毎日同じ状況で行ってもらい、自動化の度合いを毎日自己申告で記録した。

結果

分かったこと

分析できた人の平均は66日で、自動化が頭打ちになるまでの日数は18〜254日と幅があった。1回やり損ねても習慣化は大きく妨げられなかった。

出典: Lally, van Jaarsveld, Potts & Wardle, "How Are Habits Formed: Modelling Habit Formation in the Real World" (European Journal of Social Psychology, 2010)

メタ分析

「もし〜したら、〜する」と決めると目標を達成しやすい?

「いつ・どこで・どうする」を事前に決めておくと、決めない場合より目標を達成しやすいことが、多数の研究の統合で示されている。

研究

どんな研究?

ニューヨーク大学のゴルヴィッツァーらが、「もしXならY」という実行意図を立てた群と立てなかった群を比べた研究94件(63報告)を統合したメタ分析。

結果

数字で見ると

実行意図は目標達成に中〜大の効果(d=0.65)を示した。開始、妨害への対処、あきらめの切り替えなど、複数の場面で効果があった。

出典: Gollwitzer & Sheeran, "Implementation Intentions and Goal Achievement: A Meta-Analysis of Effects and Processes" (Advances in Experimental Social Psychology, 2006)

実験

習慣を変えるのは意志力より「環境」?

強い習慣は、好き嫌いや空腹より、その場所のきっかけで動いていた。習慣を変えるには場所や状況を変えるのが近道かもしれない。

研究

どんな研究?

米南カリフォルニア大学などの研究チームが、映画館でポップコーンを食べる習慣がある人に、新鮮なものと古いものを食べてもらった2つの実地実験。

結果

分かったこと

習慣が強い人は、古いポップコーンも新鮮なものと同量食べたが、映画館以外の場所では食べる量が減った。習慣が弱い人は味の好みに応じて食べた。

出典: Neal, Wood, Wu & Kurlander, "The Pull of the Past: When Do Habits Persist Despite Conflict with Motives?" (Personality and Social Psychology Bulletin, 2011)

実験

「月曜日から」と思うのはなぜ?

週や月の始まり、誕生日などの「節目」の直後は、新しい目標に取り組む人が増えることが、実際のデータで示された。

研究

どんな研究?

ペンシルベニア大学ウォートン校などの研究チームが、「diet」のGoogle検索数、大学のジム来館数、目標への誓約サービスの利用データを節目の前後で比べた。

結果

数字で見ると

ダイエットの検索は週の初め・月の初め・祝日の翌日に増え、ジムは新学期や誕生日の後に増え、目標の誓約も節目の直後に増えた。

出典: Dai, Milkman & Riis, "The Fresh Start Effect: Temporal Landmarks Motivate Aspirational Behavior" (Management Science, 2014)

ランダム化比較試験

「好きなこと」と「やるべきこと」を組み合わせると続く?

ジムでだけ人気小説のオーディオブックを聴けるようにすると、開始当初はジム通いが増えた。ただしその効果は時間とともに薄れていった。

研究

どんな研究?

米国の研究チームが、ジム利用者を無作為に3群に分け、ジムでしか聴けない人気小説のオーディオブックを渡す群、ジムで聴くよう勧めるだけの群、対照群のジム来館回数を比べた。

結果

数字で見ると

当初の来館回数は、完全に縛った群が対照群より51%、勧めただけの群が29%多かった。効果は感謝祭以降に低下した。研究後は61%が有料で同じ仕組みを望んだ。

出典: Milkman, Minson & Volpp, "Holding the Hunger Games Hostage at the Gym: An Evaluation of Temptation Bundling" (Management Science, 2014)

あわせて読む最初の1か月だけ報酬をもらうと、運動が習慣になる?ジム通いを続ける仕組みを、報酬と組み合わせの2方向から

観察研究

習慣になった行動は、なぜラクに感じるのか?

同じ場所でほぼ毎日やる行動は、頭を使わず、ストレスも少なく実行できます。習慣になるとやる気や意志の力に頼らなくて済むからです。

研究

どんな研究?

大学生を対象に、1時間ごとにアラームが鳴る腕時計を渡し、その時の行動・考えていたこと・気分を日記に記録してもらいました。学生70人が参加した研究1を含む2つの日記調査です。

結果

分かったこと

習慣的な行動中は、その行動と無関係なことを考えている割合が高く、ストレスの報告も少なめでした。習慣でない行動中は、考えが行動に向いていました。

出典: Wood, Quinn & Kashy, "Habits in Everyday Life: Thought, Emotion, and Action" (Journal of Personality and Social Psychology, 2002)

観察研究

最初の1か月だけ報酬をもらうと、運動が習慣になる?

ジム通いにごほうびを出す期間を設けると、ごほうびが終わった後も通う回数が増えました。特に、もともと通っていなかった人で効果が出ました。

研究

どんな研究?

1か月間、ジムに一定回数通うと報酬が出るグループと、出ない対照グループを比べる2つの実験。報酬期間の終了後も、ジムの利用回数を追跡しました。

結果

分かったこと

報酬期間が終わった後も、報酬グループは対照グループより利用回数が増えていました。この効果は、もともと定期的に通っていない人が中心でした。

出典: Charness & Gneezy, "Incentives to Exercise" (Econometrica, 2009)

反対の結果お金のご褒美で、やる気が下がることはある?お金の報酬で習慣が続いた研究と、やる気が下がった研究

あわせて読む「好きなこと」と「やるべきこと」を組み合わせると続く?ジム通いを続ける仕組みを、報酬と組み合わせの2方向から

実験

スタンプカードで買うペースは変わる?

特典に近づくほど買い物のペースが上がった。最初からおまけのスタンプが押してあり「進んでいる気がする」だけでも、早く買い終えていた。

研究

どんな研究?

コーヒー店の「10杯で1杯無料」の会員を調べ、通常の10マスのカードと、2つおまけが押された12マスのカードで完成までの日数を比べた。

結果

数字で見ると

完成までの日数は10マスが15.6日、おまけ付き12マスが12.7日。最初と最後のスタンプで来店間隔が約20%縮んだ。ただし米国のカフェなど特定の場面の研究。

出典: Kivetz, Urminsky & Zheng, "The Goal-Gradient Hypothesis Resurrected: Purchase Acceleration, Illusionary Goal Progress, and Customer Retention" (Journal of Marketing Research, 2006)

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