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恋愛と人間関係の研究まとめ
恋愛と人間関係について、研究でわかったことを5本、元の論文の出典つきでまとめています。わかったことだけでなく、研究の限界や「まだわからないこと」も書いています。
実験
第一印象って、何秒で決まるの?
素朴な疑問
「人は見た目が9割」「最初の数秒で決まる」なんてよく聞くよね。実際、顔を見てからどれくらいで印象ができあがるのか、時間を区切って調べた研究がある。
試したこと
知らない人の顔を、ほんの一瞬だけ見せた
研究チームが5つの実験で、見せる時間を変えて顔写真を見せた。魅力・好感・信頼できそうか・有能そうか・攻撃的そうかを判断してもらい、時間無制限のときの判断と比べた。
わかったこと
0.1秒でも、じっくり見たときとほぼ同じ
100ミリ秒、つまり0.1秒見ただけの判断が、時間をかけた判断とよく一致した。見る時間をのばしても一致度は大きく上がらず、増えたのは「自信」のほうだった。
まだわからないこと
速く決まる=当たっている、ではない
調べたのは「じっくり見たときの印象と同じか」で、その印象が本人の性格と合っているかではない。写真の顔だけの実験で、話したり一緒に過ごしたりすると印象は変わりうる。
出典: Willis et al., "First Impressions: Making Up Your Mind After a 100-Ms Exposure to a Face" (Psychological Science, 2006)
メタ分析
似た者同士って、うまくいくの?
よくある説
「似た者同士」と「正反対だから惹かれ合う」、どっちも聞くよね。似ていることと好意の関係を、たくさんの研究をまとめて調べた分析がある。
調べたこと
313の研究をまとめて比べた
研究チームが、実験室と現実の場面の313の研究(460の結果)を集めた。「実際に似ているか」と「似ていると本人が感じているか」を分けて、好意との関係を見た。
わかったこと
続いている関係では「似てると感じる」が効く
どちらも好意と関係していた。ただ実際の似ている度合いは、会ったことがないか短く話しただけの場面で強く、すでに続いている関係では目立った関係が見られなかった。似ていると感じることは、どの段階でも好意と結びついていた。
まだわからないこと
似てると感じるから好き?好きだから似てると感じる?
まとめたのは関係を見た研究が中心で、どちらが先かまでは決めきれない。好きな相手ほど「自分と似てる」と感じるだけ、という可能性も残る。
出典: Montoya et al., "Is actual similarity necessary for attraction? A meta-analysis of actual and perceived similarity" (Journal of Social and Personal Relationships, 2008)
実験
「吊り橋効果」って本当にあるの?
よくある説
ドキドキを恋のドキドキと勘違いする、っていう有名な話。もとは1974年の実験で、揺れる吊り橋の上で女性に声をかけられた男性は、あとで連絡してくる人が多かったという。
調べた人
ドキドキと好意の実験を、まとめて見直した
1998年、研究チームが、ドキドキの度合いを変えた実験をまとめて分析した。さらに、ドキドキの原因がはっきりしているかどうかで結果が違うかも調べ、新しい実験も1つ行った。
ほんとのところ
効果はある。でも原因がわかると弱まるらしい
ドキドキは相手の評価に影響していた。ただ、原因がはっきりしないときほど影響は強かった。自動的に影響を受けても、原因に気づけば人は割り引いて判断できる、という見方が出された。
まだわからないこと
恋が始まるかまでは、わからない
調べたのは主に実験室で、写真や初対面の相手への一時的な評価。1998年までの研究のまとめで、その後の研究で大きさが変わる可能性もある。相手を落とす方法として使えるような話ではない。
出典: Foster et al., "Arousal and attraction: Evidence for automatic and controlled processes" (Journal of Personality and Social Psychology, 1998)
メタ分析
赤い服を着ると、魅力的に見える?
よくある説
「赤を着るとモテる」という話、聞いたことあるかも。2000年代に話題になった研究がきっかけで広まった説だよね。
調べた人
赤の効果を調べた研究を、まとめて見直した
2018年、この説を唱えてきた研究者も加わったチームが、関連する研究をまとめて分析した。男性が女性を評価した研究と、女性が男性を評価した研究に分けて見た。
ほんとのところ
あるとしても、かなり小さい
男性→女性では小さな効果(2,961人分)、女性→男性ではごく小さな効果(2,739人分)。しかも研究ごとのばらつきが大きく、年を追うごとに効果が小さくなっている可能性も示された。
まだわからないこと
事前に計画を登録した研究では、さらに小さく
女性→男性では、事前登録した研究ほど効果が小さい傾向があり、もとの見積もりが大きすぎた可能性がある。服の色より、ほかの要素のほうがずっと大きいと考えるのが自然そう。
出典: Lehmann et al., "Meta-Analysis of the Effect of Red on Perceived Attractiveness" (Evolutionary Psychology, 2018)
あわせて読む赤を見るとテスト成績が下がる説は本当?赤の効果はどちらも、初期の研究ほど大きく出ていた
メタ分析
「男は顔、女は収入」って本当?
よくある説
理想の相手を聞くと、男性は見た目を、女性は収入を重視すると答えやすい。これはくり返し確かめられている。でも、実際に会った相手に惹かれるときもそうなのかな。
調べたこと
97の研究で「実際の好意」を見た
2014年、研究チームが、実際に出会った相手や恋人への評価を調べた97の研究をまとめた。見た目と収入の見込みが、好意とどれくらい関係するかを男女で比べた。
わかったこと
実際に会うと、男女の差はほとんどない
見た目は男女どちらでも好意とそれなりに強く関係し、収入の見込みは男女どちらでも弱い関係だった。男女の差はごく小さく、意味のある差は出なかった。「言う理想」と「実際に惹かれる理由」はずれるらしい。
まだわからないこと
関係の段階や文化で変わるかも
まとめたのは関係を見た研究で、なぜ惹かれたかの因果まではわからない。どの国の人が多いかもこの分析だけでは言えず、出会ってすぐか長い付き合いかで結果が違う可能性もある。
出典: Eastwick et al., "The predictive validity of ideal partner preferences: A review and meta-analysis" (Psychological Bulletin, 2014)