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睡眠と食欲の研究まとめ

睡眠と食欲について、研究でわかったことを4本、元の論文の出典つきでまとめています。わかったことだけでなく、研究の限界や「まだわからないこと」も書いています。

実験

寝不足になるとホルモンレベルで食欲が増すのか?

睡眠時間を削ると、満腹感を伝えるホルモン(レプチン)が減り、空腹感を高めるホルモン(グレリン)が増え、実際に空腹感・食欲の自己申告も上がることが分かっている。

研究

どんな研究?

シカゴ大学の研究チームが、健康な若い男性12人に、2晩の睡眠制限(4時間)と睡眠延長(10時間)の両方を体験させ、食事や活動を管理した状態でホルモンと空腹感を比べた。

結果

数字で見ると

睡眠制限の時はレプチンが18%低く、グレリンが28%高く、空腹感は24%、食欲は23%高かった。参加者は12人の若い男性のみで、2晩という短期間の結果。

出典: Spiegel, Tasali, Penev & Van Cauter, "Brief Communication: Sleep Curtailment in Healthy Young Men Is Associated with Decreased Leptin Levels, Elevated Ghrelin Levels, and Increased Hunger and Appetite" (Annals of Internal Medicine, 2004)

反対の結果寝不足だと甘いものが欲しくなるのは本当?寝不足でレプチンが減った研究と、差がなかった研究

実験

寝不足の脳はジャンクフードにどう反応しているのか?

徹夜明けの脳は、食べ物の価値判断を行う前頭葉などの活動が下がり、感情・報酬に関わる扁桃体の活動が上がり、高カロリー食への欲求が強まった。

研究

どんな研究?

カリフォルニア大学バークレー校の研究チームが、健康な若年成人23人に、通常の睡眠後と徹夜明けのそれぞれで、80種類の食品画像を見せ、欲求の強さの評価とfMRIでの脳活動を比べた。

結果

数字で見ると

徹夜明けは、前頭葉と島皮質の活動が低下し、扁桃体の活動が上昇した。その変化と並んで、高カロリー食への欲求が強まった。参加者は23人と少人数。

出典: Greer, Goldstein & Walker, "The Impact of Sleep Deprivation on Food Desire in the Human Brain"

あわせて読む寝不足だと「消費」ではなく「摂取」の方が増える?寝不足で食べる量が増える理由を、脳の反応から説明する

ランダム化比較試験

寝不足だと甘いものが欲しくなるのは本当?

3晩続けて睡眠を5時間に減らすと、8時間のときより、甘味への好みと朝食での摂取エネルギーが高まった。ただし小規模な実験で、他の研究では甘味の変化が見られなかった例もある。

研究

どんな研究?

健康な若年成人24人(男性11人)が、5時間睡眠3晩と8時間睡眠3晩の両方を体験するランダム化クロスオーバー試験で、翌朝に甘味の好みと食事の摂取量を比べた。

結果

数字で見ると

5時間睡眠の後は、8時間睡眠の後より甘味の好みが高く、空腹時の活性型グレリンも高く、朝食の摂取エネルギーが多かった。レプチンには差がなく、甘味の好みと摂取量に相関は見られなかった。

出典: Tajiri et al., "Acute Sleep Curtailment Increases Sweet Taste Preference, Appetite and Food Intake in Healthy Young Adults: A Randomized Crossover Trial" (Behavioral Sciences, 2020)

反対の結果寝不足になるとホルモンレベルで食欲が増すのか?寝不足でレプチンが減った研究と、差がなかった研究

実験

寝不足だと「消費」ではなく「摂取」の方が増える?

睡眠を削ると、1日の消費エネルギーはほぼ変わらない一方で、食べる量(特に脂質)が増えた。体重増加につながる条件が生まれることが示された。

研究

どんな研究?

米コロンビア大学の研究チームが、30〜49歳の男女30人を入院させ、4時間睡眠と9時間睡眠を5晩ずつ体験させて、5日目の食事摂取と、二重標識水法による総エネルギー消費を比べた。

結果

数字で見ると

5日目の摂取エネルギーは、短時間睡眠で約2814kcal、通常睡眠で約2518kcalと有意に多く、主に脂質の増加によるものだった。総エネルギー消費には有意な差がなかった。

出典: St-Onge et al., "Short Sleep Duration Increases Energy Intakes but Does Not Change Energy Expenditure in Normal-Weight Individuals"

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