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EVIDENCE / 犯罪の心理

犯罪の心理の研究まとめ

犯罪の心理について、研究でわかったことを5本、元の論文の出典つきでまとめています。わかったことだけでなく、研究の限界や「まだわからないこと」も書いています。

メタ分析

暑い日は暴力犯罪が増える?

気温が上がるほど暴力犯罪のリスクが高まる関係が見られた。一方、財産犯罪との関係は研究によってまちまちだった。

研究

どんな研究?

気温と犯罪の関係を調べた世界の83の研究をまとめ、暴力犯罪と財産犯罪のリスクの変化を統合したメタ分析。

結果

数字で見ると

気温が10℃上がると、暴力犯罪のリスクが9%(95%信頼区間7〜12%)高まった。研究ごとに地域や方法が異なる。

出典: Choi, Heo, Foo et al., "Temperature, Crime, and Violence: A Systematic Review and Meta-Analysis" (Environmental Health Perspectives, 2024)

観察研究

休憩前の裁判官は厳しくなる?

イスラエルの仮釈放審理では、許可の割合が休憩直後に高く、次の休憩が近づくほど下がっていた。ただし原因が空腹かどうかには反論がある。

研究

どんな研究?

イスラエルの2つの仮釈放委員会で、経験豊富な裁判官8人による1,112件の判断を、10か月・50日分集めて分析した。

結果

数字で見ると

許可率は休憩直後の約65%から休憩前にはほぼ0%へ下がり、休憩後に約65%へ戻った。審理の順番の偏りで説明できるという反論が出ている。

出典: Danziger, Levav & Avnaim-Pesso, "Extraneous factors in judicial decisions" (PNAS, 2011)

メタ分析

人は嘘をどれくらい見抜ける?

道具や訓練なしで嘘と本当を見分ける正解率は、偶然の50%をわずかに上回る程度だった。とくに嘘を嘘と見抜くのが苦手だった。

研究

どんな研究?

その場で嘘と本当を見分ける研究を集めたメタ分析。206の文献、2万4,483人の判断をまとめて分析した。

結果

数字で見ると

平均正解率は54%。嘘の正解は47%、本当の正解は61%。見た目だけより声が聞こえるほうが見抜きやすかった。多くは実験室での嘘である。

出典: Bond & DePaulo, "Accuracy of Deception Judgments" (Personality and Social Psychology Review, 2006)

あわせて読む嘘をつくと右上を見るのは本当?嘘はほぼ見抜けず、目の動きの説も手がかりにならない

観察研究

街中の争いで、周りの人は助ける?

実際の防犯カメラ映像では、争いの大半で誰かが助けに入っていた。周りの人が多いほど、助けが入りやすかった。

研究

どんな研究?

英国・オランダ・南アフリカの街中の防犯カメラが映した、実際の争い219件を分析し、周りの人が助けに入ったかを調べた。

結果

数字で見ると

10件中9件で少なくとも1人、多くは複数の人が助けに入った。治安の感じ方が違う3か国で割合は似ていた。映像に残った争いに限られる。

出典: Philpot, Liebst, Levine, Bernasco & Lindegaard, "Would I be helped? Cross-national CCTV footage shows that intervention is the norm in public conflicts" (American Psychologist, 2020)

反対の結果周りに人が多いほど、誰も助けない?実験をまとめると、周りに人がいると助ける人は減っていた

メタ分析

周りに人が多いほど、誰も助けない?

よく聞く説

「大勢いると、みんな誰かがやると思って助けない」——傍観者効果としてよく聞く話だよね。1960年代から、たくさんの実験で調べられてきた。

調べた人

50年分の研究をまとめて分析した

2011年、フィッシャーたちは、1960年代から2010年までの傍観者の研究を集め、7,700人以上・105の結果をまとめてメタ分析した。

ほんとのところ

効果はあった。でも危険な場面では弱まった

周りに人がいると助ける人が減る、という効果は全体では確かにあった。ただ、危険がはっきりした場面や、加害者がその場にいるときは、その効果が弱まった。

まだわからないこと

本物の街の中では、違う結果も出ている

まとめたのは主に実験で作った場面。実際の街の防犯カメラ映像を調べた別の研究では、争いの10件中9件で誰かが助けに入っていた。現実でどのくらい起きるかは、まだ議論がある。

出典: Fischer et al., "The bystander-effect: A meta-analytic review on bystander intervention in dangerous and non-dangerous emergencies" (Psychological Bulletin, 2011)

反対の結果街中の争いで、周りの人は助ける?実際の街の映像では、周りの人が多いほど助けが入りやすかった

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