SEADICE / EVIDENCE / 相性と結婚

EVIDENCE / 相性と結婚

相性と結婚の研究まとめ

相性と結婚について、研究でわかったことを51本、元の論文の出典つきでまとめています。わかったことだけでなく、研究の限界や「まだわからないこと」も書いています。

メタ分析

責める・黙って離れる、のくり返しは?

一方が責め、もう一方が離れる「要求-回避」のパターンは、関係の満足度の低さなどと中程度に関連していました。

研究

どんな研究?

要求-回避と、関係・コミュニケーション・心身の状態との関連を調べた74件の研究、合計14,255人分をまとめた分析です(メタ分析)。

結果

数字で見ると

全体では中程度の関連(r=.360)でした。深刻な悩みを抱える参加者を含む研究ではr=.413、そうでない研究ではr=.345。相関をまとめたもので、不満の原因か結果かは区別できません。

まだわからないこと

ここはまだ不確か

相関をまとめたもので、このパターンが不満を生むのか、不満があるからこうなるのかは区別できません。対象の多くは欧米の夫婦やカップルです。

出典: Schrodt, Witt, & Shimkowski (2014). A meta-analytical review of the demand/withdraw pattern of interaction. Communication Monographs

観察研究

責める側・離れる側は性別で決まる?

性別ではなく、その話題で相手よりどれだけ変化を望んでいるかの差が、誰が責めて誰が離れるかをよく説明していました。

研究

どんな研究?

男女・男性同士・女性同士のカップル、計63組の話し合いを観察した研究です。

結果

数字で見ると

このパターンは、どの組み合わせのカップルにも見られました。そして、その話題で相手にどれだけ変わってほしいかの差が、責める・離れるの差を予測していました。

まだわからないこと

ここはまだ不確か

63組という少人数の観察研究です。変化を望む度合いと行動の関連は見えましたが、くじ引きで条件を変えたわけではなく、ほかの国や年代で同じかも未確認です。

出典: Holley, Sturm, & Levenson (2010). Exploring the basis for gender differences in the demand-withdraw pattern. Journal of Homosexuality

メタ分析

夫婦カウンセリングは効く?

カップルセラピーを受けた夫婦は関係の満足度が大きく改善し、順番待ちの夫婦はほとんど改善しませんでした。

研究

どんな研究?

カップルセラピーの効果を調べた58件の研究(40の対象集団、2,092組)をまとめて分析した研究です(メタ分析)。

結果

数字で見ると

満足度の改善は効果量1.12と大きく、順番待ちの夫婦は0.12で意味のある改善は見られませんでした。改善はその後の追跡期間もおおむね保たれています。対象は男女の夫婦に限られます。

まだわからないこと

ここはまだ不確か

対象は男女の夫婦に限られ、英語で発表された研究だけをまとめています。同じ研究から複数の数字を使っている点も、完全には調整しきれていません。

出典: Roddy, Walsh, Rothman, Hatch, & Doss (2020). Meta-analysis of couple therapy: Effects across outcomes, designs, timeframes, and other moderators. Journal of Consulting and Clinical Psychology

ランダム化比較試験

オンラインのプログラムでも変わる?

カップルセラピーをもとにした8時間のオンラインプログラムで、関係の満足度が改善していました。

研究

どんな研究?

米国の男女のカップル300組を、8時間のオンラインプログラムを受けるグループと、2か月待つグループにくじ引きのように分けた研究です。

結果

数字で見ると

受けたグループは待ったグループより満足度が改善し(d=0.69)、気分の落ち込みや不安などの個人の不調も軽くなっていました。

まだわからないこと

ここはまだ不確か

比べた相手は「2か月待つ」グループで、ほかの支援と比べたわけではありません。米国の英語プログラムの結果で、長い期間の効果や日本での効果はまだわかりません。

出典: Doss et al. (2016). A randomized controlled trial of the web-based OurRelationship program. Journal of Consulting and Clinical Psychology

観察研究

浮気する人は見分けられる?

調べた要因で浮気を予測できたのは、男性で全体の17%、女性で21%にとどまりました。

研究

どんな研究?

一対一の交際中だと答えた男性506人・女性412人、計918人に、浮気の経験とそれに関わりそうな要因をたずねた研究です。

結果

数字で見ると

今の交際中に浮気をしたことがあると答えたのは男性23.2%、女性19.2%。要因で予測できたのは男性17%、女性21%でした。1回の調査で、多くの要因は浮気を説明しきれませんでした。

まだわからないこと

ここはまだ不確か

1回の自己報告の調査で、浮気の経験は答えにくい質問です。ここで調べた要因がそのまま浮気の原因になるとは言えず、カップルの片方にしか聞いていません。

出典: Mark, Janssen, & Milhausen (2011). Infidelity in heterosexual couples: demographic, interpersonal, and personality-related predictors of extradyadic sex. Archives of Sexual Behavior

観察研究

離婚しやすい時期にパターンはある?

離婚した夫婦のなかで、感情が激しくぶつかる夫婦は早い時期に、感情を表に出さない冷めたやり取りの夫婦は後の時期に離婚しやすい傾向がありました。

研究

どんな研究?

夫婦79組を14年間追いかけて、夫婦のやり取りと離婚の時期の関係を分析した研究です。

結果

数字で見ると

14年間で、79組のうち21組が離婚しました。その21組について、離婚までの長さを2つのパターンで説明するモデルが提案されています。黙り込みを離婚の原因と言い切ったものではありません。

まだわからないこと

ここはまだ不確か

離婚した21組だけを使い、あとからモデルを作った探索的な分析です。人数が少なく、別の夫婦で同じパターンが確かめられたかはこの研究ではわかりません。

出典: Gottman & Levenson (2002). A two-factor model for predicting when a couple will divorce: Exploratory analyses using 14-year longitudinal data. Family Process

観察研究

喧嘩中の黙り込みが一番危ない?

批判・軽蔑・防御・黙り込みの4つのなかで、ほかの行動とのつながりの中心にいたのは「軽蔑」でした。

研究

どんな研究?

イランの既婚カップル780組を対象に、ゴットマンが挙げた4つの行動のつながりを、ネットワーク分析という方法で調べた研究です。

結果

数字で見ると

つながりの強さと橋渡しの指標では軽蔑がいちばん、相手に及ぼす影響の指標では防御がいちばんでした。黙り込み(ストーンウォーリング)は、どの指標でも1位ではありませんでした。

まだわからないこと

ここはまだ不確か

一時点の質問紙の答えのつながりを見たもので、どれが不和の原因かはわかりません。イランの夫婦が対象で、日本の夫婦にそのまま当てはまるとは限りません。

出典: Hashemi, Zarghami, & Nodehi (2025). Understanding marital conflict: A network analysis of Gottman's four horsemen. Journal of Sex & Marital Therapy

観察研究

結婚満足度はU字に回復する?

同じ人を長く追いかけた調査では、平均して後半に満足度が盛り返す形は確認されませんでした。

研究

どんな研究?

同じ人を17年間追いかけた調査で、結婚年数と結婚の幸福感の関係を調べた研究です。

結果

数字で見ると

満足度はどの年数でも平均して下がっていき、後半の上向きは見られませんでした。U字カーブは、年数の違う夫婦を一時点で比べたデータ(横断データ)が生んだ見え方だと結論づけています。

まだわからないこと

ここはまだ不確か

米国の夫婦の追跡調査で、ほかの国で同じかはわかりません。途中で離婚した夫婦は追えなくなるため、残った夫婦の姿にかたよる可能性もあります。

出典: VanLaningham, Johnson, & Amato (2001). Marital Happiness, Marital Duration, and the U-Shaped Curve: Evidence from a Five-Wave Panel Study. Social Forces

観察研究

性生活の満足は相性しだい?

「性生活の満足は努力で保てる」と考える人ほど、関係満足度や性的満足度が高く、パートナーの満足度も高くなっていました。

研究

どんな研究?

オンライン調査、21日間の日々の記録、カップル調査、実験を組み合わせた6つの研究で、計1896人を調べました。

結果

数字で見ると

努力で保てると考える人は、本人もパートナーも満足度が高めでした。「相性のよい相手がすべて」と考える人は、性の面で意見の違いが大きいと、関係の質が低くなっていました。

まだわからないこと

ここはまだ不確か

6つのうち多くは調査で、考え方が満足を生むのか、満足しているからそう考えるのかは区別しきれません。北米の研究が中心です。

出典: Maxwell, Muise, MacDonald, Day, Rosen, & Impett (2017). How implicit theories of sexuality shape sexual and relationship well-being. Journal of Personality and Social Psychology

観察研究

遠距離恋愛はうまくいかない?

遠距離かどうかで、交際の幸福感・コミットメント(続けたい気持ち)・対立の頻度に統計的な差は見られませんでした。

研究

どんな研究?

アメリカの大学の性の健康調査に答えた、交際中の学生2075人を調べた研究です。

結果

数字で見ると

34.2%が遠距離恋愛中でした。遠距離かどうかで、幸福感・コミットメント・対立の頻度に統計的な差はありませんでした。1つの大学での自己申告による一時点の調査です。

まだわからないこと

ここはまだ不確か

米国の1つの大学での自己申告による一時点の調査です。遠距離の関係がその後続くかどうかや、社会人の遠距離恋愛で同じかはわかりません。

出典: Beckmeyer, Herbenick, & Eastman-Mueller (2023). Long-distance romantic relationships among college students: Prevalence, correlates, and dynamics in a campus probability survey. Journal of American College Health

観察研究

追いかけると逃げる、の正体は?

人と距離を取りたがる傾向(回避)が強い人ほど、対立時に話し合いから引きやすく、引く側と責める側の組み合わせは二人とも満足度の低さと関連していました。

研究

どんな研究?

18〜72歳の異性愛カップル175組(350人)に、ある対立場面をふり返って答えてもらった研究です。

結果

数字で見ると

回避傾向が強い人は話し合いから引く「撤退」を取りやすく、それが本人の満足度の低さと結びついていました。撤退と要求・非難の組み合わせは二人の満足度の低さと関連。一時点の調査で因果は示していません。

まだわからないこと

まだわからないこと

一度だけのアンケートで、どちらが先かはわかりません。異性カップル175組が対象で、実際の話し合いを観察したわけではなく、ふり返りの自己報告です。

出典: Bretaña, Alonso-Arbiol, Recio, & Molero (2022). Avoidant Attachment, Withdrawal-Aggression Conflict Pattern, and Relationship Satisfaction: A Mediational Dyadic Model. Frontiers in Psychology

観察研究

不安型と回避型、組み合わせは関係する?

回避傾向が強い男性は、パートナーの不安傾向が強いと、対立したときに感情にのみこまれやすくなっていました。一人の性格より、二人の組み合わせが関わっていたんです。

研究

どんな研究?

第一子を迎えるカナダの男女カップル98組を、妊娠後期から4年間追いかけた研究です。

結果

数字で見ると

妊娠後期、回避傾向の強い男性ほど感情にのみこまれやすいという結びつきは、女性の不安が強いとき(係数0.241)のほうが、弱いとき(0.098)より大きくなりました。男性自身の不安も、二人の感情の高ぶりと結びついていました。

まだわからないこと

まだわからないこと

カナダの98組と少人数で、第一子を迎える時期に限った調査です。観察研究なので、組み合わせが原因とまでは言えません。交際中の若いカップルで同じかは確かめられていません。

出典: Morgan & Woodin (2025). Perceptions of Conflict at the Transition to Parenthood: Exploring Adult Attachment Pairings as Predictors of Emotional Flooding. Family Process

観察研究

マンネリは放っておいていい?

研究では、結婚生活に退屈を感じていた人ほど、9年後の満足度が低くなっていました。

研究

どんな研究?

夫婦を長く追いかけた調査のデータから、ある時点での「退屈」と、9年後の結婚満足度の関係を調べた研究です。

結果

数字で見ると

「同じことばかりで、二人でわくわくすることが少ない」と感じていた人ほど、9年後の満足度が低めでした。人数などの細かい数字は要旨では確かめられなかったため、ここでは書いていません。

まだわからないこと

まだわからないこと

夫婦を追った観察研究で、退屈が満足度を下げた原因とまでは言えません。結婚して長い夫婦の話なので、付き合い始めのカップルに当てはまるかもわかりません。

出典: Tsapelas I, Aron A, Orbuch T (2009). Marital boredom now predicts less satisfaction 9 years later. Psychological Science

観察研究

笑いで関係のよさはわかる?

手がかりは、笑ってもらう量より、二人が同時に笑う時間です。研究では、一緒に笑う時間が長いほど関係の評価が高かったんです。

研究

どんな研究?

交際中の異性カップル71組に「二人の出会い」について話してもらい、録画した会話の笑いを数えました。

結果

数字で見ると

ほかの笑いの量をそろえて分析しても、二人が同時に笑っていた時間の割合が高いほど、関係の質・親密さ・支えられている感覚の評価が高くなっていました。すでに付き合っている二人の相関研究です。

まだわからないこと

まだわからないこと

71組の一時点の観察で、一緒に笑うから関係がよくなるのか、関係がよいから一緒に笑うのかはわかりません。付き合う前の二人に当てはまるかも調べていません。

出典: Kurtz LE, Algoe SB (2015). Putting laughter in context: Shared laughter as behavioral indicator of relationship well-being. Personal Relationships

メタ分析

面白い人ほど長続きする?

研究では、自分を面白いと思うかどうかより、二人で共有するユーモアのほうが満足度と強く結びついていました。

研究

どんな研究?

39本の論文・計1万5,177人を統合したメタ分析(たくさんの研究をまとめて分析する方法)で、ユーモアと恋愛関係の満足度の関係を調べました。

結果

数字で見ると

前向きなユーモア6種類はすべて満足度とプラスの関係があり、相手をけなすユーモア5種類のうち4種類はマイナスの関係でした。自己申告より、二人で共有するユーモアのほうが関係が大きかったんです。

まだわからないこと

まだわからないこと

まとめられた研究の多くは一時点の調査なので、ユーモアが満足度を上げるのか、満足しているから笑えるのかはわかりません。欧米の研究が中心です。

出典: Hall JA (2017). Humor in romantic relationships: A meta-analysis. Personal Relationships

観察研究

話し方が似ていると相性がいい?

研究では、言葉づかいの癖が似ているペアほど、また会いたいと思い合いやすく、交際も続きやすかったんです。

研究

どんな研究?

4分間のスピードデート40組の会話と、交際中86組のメッセージを分析しました。代名詞や冠詞など、文をつなぐ小さな言葉(機能語)の使い方がどれだけ似ているかを調べています。

結果

数字で見ると

一致度が中央値(真ん中の値)より高いペアは33.3%が互いにまた会いたいと答え、中央値以下は9.1%でした。交際中の組では、3か月後の継続が76.7%対53.5%。交際初期の分析で、長い関係の相性を示したものではありません。

まだわからないこと

組数が少ない

スピードデート40組・交際中86組と小さめの研究で、英語の会話の分析です。のちに5つのデータで確かめ直した研究では、交際中の満足度とのつながりはごく小さいという結果でした。

出典: Ireland ME, Slatcher RB, Eastwick PW, Scissors LE, Finkel EJ, Pennebaker JW (2011). Language style matching predicts relationship initiation and stability. Psychological Science

実験

打ち明け話で心は近づく?

研究では、自分のことを少しずつ打ち明け合う会話をしたペアほど体の動きがそろい、「通じ合った」感覚も強かったんです。

研究

どんな研究?

見知らぬ同性同士94組を、打ち明け話をするペア(45組)と、科学記事を一緒に校正するペア(49組)に分け、体の動きのそろい方を比べました。

結果

数字で見ると

打ち明け話をしたペアは、体の動きのそろい方が明らかに高めでした(平均13.43対8.39)。動きのそろい方が、打ち明け話と「通じ合った」感覚の間をつないでいました。

まだわからないこと

恋愛の相性にも当てはまる?

初対面の同性ペア94組が実験室で1回話しただけの結果です。恋人どうしや、長く続く関係で同じことが起きるかは調べていません。動きをわざと合わせて仲良くなれるかも別の問題です。

出典: Vacharkulksemsuk T, Fredrickson BL (2012). Strangers in sync: Achieving embodied rapport through shared movements. Journal of Experimental Social Psychology

観察研究

共通点が多いほど惹かれる?

初対面では、実際の共通点より「似ている」と感じた度合いのほうが、好意を予測していました。

研究

どんな研究?

スピードデート形式の実験で、参加者は初対面の異性約12人と4分ずつ会話しました。事前の回答から計算した実際の共通点と、「似ている」と感じた度合いを比べています。

結果

数字で見ると

その場での恋愛的な好意を予測したのは、「似ている」と感じた度合いだけでした。実際の共通点は、はっきりした予測の手がかりにはなりませんでした。初対面・短い時間での結果で、長い関係の質を示すものではありません。

まだわからないこと

長い関係では?

1回のスピードデートで、その場の好意を測った研究です。数か月後も好意が続くか、交際に進むかは調べていません。「似ている」と感じたのが先か、好きだから似ていると感じたのかも区別できません。

出典: Tidwell ND, Eastwick PW, Finkel EJ (2013). Perceived, not actual, similarity predicts initial attraction in a live romantic context. Personal Relationships

レビュー

似た者同士ほど満足度が高い?

研究では一貫しませんでした。交際・結婚しているカップルでは、似ていることが関係の質の高さを保証するとは言えなかったんです。

研究

どんな研究?

すでに交際・結婚しているカップルを対象にした339本の研究をまとめ、似ていること(類似性)と、満足度などの関係の質とのつながりを整理しました。

わかったこと

数字で見ると

類似性と関係の質の関連は、全体として「まちまち」でした。似ている種類や測り方を変えても同じで、実際の共通点より「似ている」と感じる度合いのほうが関連は強めでした。

まだわからないこと

なぜ一貫しない?

339本の研究は、何が似ているか(性格・価値観・趣味)も測り方もばらばらでした。数字でまとめたメタ分析ではないので、全体としてどのくらいの効果かは示せていません。対象も欧米の若いカップルが多めです。

出典: From A, Diamond E, Kafaee N, Reynaga M, Edelstein RS, Gordon AM (2025). Does similarity matter? A scoping review of perceived and actual similarity in romantic couples. Journal of Social and Personal Relationships

観察研究

喧嘩が多いと長続きしない?

回数より「しかた」が関わっていました。研究では、怒鳴る・侮辱するといった行動が多い夫婦ほど、離婚しやすかったんです。

研究

どんな研究?

373組の夫婦(746人)を、結婚1年目から16年目まで追跡し、喧嘩の中での行動と離婚の関係を調べました。

結果

数字で見ると

1年目に夫が破壊的な行動を多く報告した夫婦ほど、離婚率が高くなっていました(ハザード比4.28)。二人とも建設的に話し合うと答えた夫婦は、離婚率が低めでした。

まだわからないこと

自己申告と時代

米国の1986年ごろに結婚した夫婦の、本人の申告による行動です。実際の喧嘩を観察したわけではなく、怒鳴る行動が離婚の原因になったのか、もともと相性の悪さの表れなのかは区別できません。

出典: Birditt KS, Brown E, Orbuch TL, McIlvane JM (2010). Marital Conflict Behaviors and Implications for Divorce Over 16 Years. Journal of Marriage and Family

観察研究

「求める・引きこもる」は悪い型?

状況で変わりました。研究では、余裕のある夫婦では妻の満足度を下げ、余裕の少ない夫婦ではむしろ良い方向に働いていたんです。

研究

どんな研究?

低所得で子育て中の夫婦515組を、社会経済的なリスク(暮らし向きの厳しさ)の高さで比べ、18か月後の満足度を調べました。低所得地域の新婚夫婦431組でも分析しています。

結果

数字で見ると

余裕のある夫婦では「妻が求め、夫が引きこもる」パターンが多いほど、18か月後の妻の満足度が下がっていました(β=-1.21)。暮らしが厳しい夫婦では、夫の引きこもりはむしろ満足度を保つ方向に働いていました。

まだわからないこと

どこまで当てはまる?

米国の、主に収入の限られた男女の夫婦のデータです。日本の夫婦や、同性カップル・年配の夫婦で同じかはわかりません。観察研究なので、話し方を変えれば満足度が変わるという因果も確かめていません。

出典: Ross JM, Karney BR, Nguyen TP, Bradbury TN (2019). Communication That Is Maladaptive for Middle-Class Couples Is Adaptive for Socioeconomically Disadvantaged Couples. Journal of Personality and Social Psychology

観察研究

相性は診断でわかる?

満足度の高さはある程度予測できましたが、その後の変化はほとんど予測できませんでした。一度の診断では決められないんです。

研究

どんな研究?

29の研究室が集めた43の追跡データを機械学習(コンピューターにパターンを学ばせる方法)で分析し、関係の質(満足度と、関係を続けようとする気持ち)を予測する要素を探しました。

結果

数字で見ると

上位は、相手が関係に本気だと感じること、感謝、性的な満足度、相手も満足していると感じること、喧嘩の少なさ。関係の要素は開始時の差の最大45%、終了時の最大18%を説明しました。

まだわからないこと

何がわからない?

データはすべて本人の回答で、多くは欧米のカップルです。予測できるのは「今の満足度」で、関係が今後よくなるか悪くなるかは、どの組み合わせでもほとんど予測できませんでした。

出典: Joel S, Eastwick PW, Allison CJ, et al. (2020). Machine learning uncovers the most robust self-report predictors of relationship quality across 43 longitudinal couples studies. PNAS

観察研究

同じ喧嘩のくり返しは終わりの合図?

くり返す口論でも、歩み寄って一緒に解決策を探す話し方が多い人ほど、関係の質が高かったんです。

研究

どんな研究?

交際中・結婚中の584人に、直近の「くり返される口論」と、そのときの話し方をオンラインで尋ねました。

結果

数字で見ると

584人の調査で、責めて言い負かす話し方や、話題を避ける話し方が多い人ほど、関係の質が低めでした。1回の調査なので、話し方を変えれば関係がよくなるという因果までは示していません。

まだわからないこと

1回の調査

米国の584人がオンラインで一度答えた調査です。関係の質が高いから歩み寄れるのか、歩み寄るから関係がよくなるのかは区別できません。相手側の受け取り方も調べていません。

出典: Vanderbilt, R. R., & Solomon, D. H. (2022). The role of perceived resolvability in serial arguments across the lifespan. Personal Relationships

ランダム化比較試験

価値観の違いはなくすべき?

違いを理解して受け止めることを重視したカップルセラピーでも、深刻な不和を抱えた夫婦の半数が5年後に改善していました。行動を変える方法とほぼ同じでした。

研究

どんな研究?

長く深刻な不和を抱えた米国の夫婦134組を、約8か月のカップルセラピー2種類に分け、終わってから5年間追いかけました。

結果

数字で見ると

5年後に明らかに改善したのは、受容重視で50.0%、行動中心で45.9%。別居・離婚は25.7%と27.9%でした。専門家の支援を受けた夫婦の結果なので、自分たちだけの工夫で同じ効果があるかはわかりません。

まだわからないこと

どこまで言える?

米国の、深刻な不和を抱えて専門家の支援を受けた134組の結果です。セラピーを受けなかった夫婦との比較はなく、2つの方法の差も5年後には小さくなっていました。自分たちだけの工夫で同じ効果があるかはわかりません。

出典: Christensen, A., et al. (2010). Marital status and satisfaction five years following a randomized clinical trial comparing traditional versus integrative behavioral couple therapy. Journal of Consulting and Clinical Psychology

観察研究

結婚の条件に男女差はある?

アンケートでは、男性は若さや外見を、女性は経済力や年上の相手を重視する傾向が、各国でおおむね見られました。

研究

どんな研究?

45カ国14,399人に、理想の結婚相手の条件を尋ねた大規模な調査です。1980年代に37文化で行われた有名な調査を、より大きな規模で再現しました。

結果

数字で見ると

45カ国14,399人のうち多くの国で、こうした男女差がおおむね共通して見られました。ただし差の大きさは国によってばらつきがあり、すべての国で同じ強さではありませんでした。

まだわからないこと

好みと実際の選択は別

「理想の相手」をアンケートで答えてもらったもので、実際に誰と付き合うかを調べたものではありません。男女差が生まれつきか社会の影響かも、この調査だけでは決められません。

出典: Walter, K. V., et al. (2020). Sex Differences in Mate Preferences Across 45 Countries: A Large-Scale Replication. Psychological Science

観察研究

条件へのこだわりは環境で変わる?

異性が多い環境ほど、男女とも相手の外見や経済力への要求が高く、少ない環境では低い傾向がありました。

研究

どんな研究?

45カ国の調査データ(14,487人)を使い、国や都市の男女比と、理想の相手の条件との関係を調べました。

結果

数字で見ると

14,487人分の分析で、男女とも、異性が多い地域ほど外見や経済力への希望が高めでした。優しさや知性などの条件では、男女比との関連ははっきりしませんでした。

まだわからないこと

相関で、個人の話ではない

国や地域ごとの男女比と好みの関連を見た相関の研究です。男女比が好みを変えた原因かどうかは確かめていません。1人ひとりの出会いの機会を測ったものでもありません。

出典: Walter, K. V., et al. (2021). Sex differences in human mate preferences vary across sex ratios. Proceedings of the Royal Society B

観察研究

同棲すると離婚しやすい?

差が出たのは、同棲を始めた時期でした。婚約前に同棲を始めた人は、婚約後や同棲なしの人より離婚が多かったんです。

研究

どんな研究?

2001年に米国4州で行われた無作為の電話調査で、初婚の645人を対象に、同棲を始めた時期と離婚の関係を調べました。

結果

数字で見ると

2001年までの離婚は、婚約前に同棲した人で28%、婚約後で21%、同棲なしで20%でした。対象は1990年代に結婚した人で、同棲が一般的になった最近の世代には当てはまらないかもしれません。

まだわからないこと

1990年代の米国南部

米国の4州で1990年代に結婚した人の調査です。数字は他の要因を調整する前の比較で、同棲の始め方そのものが離婚を増やすのか、もともとの違いなのかは分けきれていません。

出典: Stanley, S. M., et al. (2010). The Timing of Cohabitation and Engagement: Impact on First and Second Marriages. Journal of Marriage and Family

観察研究

今の世代でも同棲は不利?

1996年以降に結婚した世代では、結婚前の同棲そのものは、離婚のしやすさとほとんど関連していませんでした。

研究

どんな研究?

1996年以降に結婚した女性2,003人・男性1,483人に面接調査を行い、結婚前の同棲と、その後の離婚を調べました。

結果

数字で見ると

女性2,003人・男性1,483人とも、同棲の有無と離婚の関連はほとんどありませんでした。婚約や明確な結婚予定がある状態で同棲した女性は離婚リスクがやや低めでしたが、男性では確認されませんでした。

まだわからないこと

米国の調査です

米国の全国調査で、日本など他の国にそのまま当てはまるかはわかりません。調査に答えた人のデータを見た観察研究で、同棲が原因かどうかまでは言えません。

出典: Manning, W. D., & Cohen, J. A. (2012). Premarital Cohabitation and Marital Dissolution: An Examination of Recent Marriages. Journal of Marriage and Family

観察研究

離婚の前ぶれは喧嘩の多さ?

研究では、喧嘩が増えることより、愛情表現が減って「応えてくれる」という確信が薄れていくことのほうが手がかりでした。

研究

どんな研究?

新婚の夫婦を13年間追いかけて、結婚したばかりのころの変化と、その後の結婚の行方との関係を調べました。

結果

数字で見ると

離婚に向かった夫婦を分けたのは、初期の不満やいさかいの増加ではなく、愛情が冷めて目に見える愛情表現が減っていく「幻滅」の流れでした。他の国や今のカップルに当てはまるとは限りません。

まだわからないこと

昔の世代の夫婦

数十年前に結婚した新婚夫婦の追跡です。いまの若い世代や日本の夫婦で同じかはわかりません。関連を見たもので、幻滅が離婚の原因と確定したわけではありません。

出典: Huston, T. L., Caughlin, J. P., Houts, R. M., Smith, S. E., & George, L. J. (2001). The connubial crucible: Newlywed years as predictors of marital delight, distress, and divorce. Journal of Personality and Social Psychology

観察研究

わかってくれる相手だと体も違う?

研究では、相手にわかってもらえていると感じる人ほど、10年後のストレスホルモンの1日の変化が健康的でした。

研究

どんな研究?

アメリカの夫婦・同棲カップルを10年間追いかけ、相手の応答性(理解し、大切にし、認めてくれる感覚)とコルチゾール(ストレスホルモン)を調べました。

結果

数字で見ると

応答性を感じていた人ほど、10年後の朝のコルチゾールが高く、1日の下がり方が健康的でした。年齢や抑うつ、性格の影響を除いても残っています。観察研究なので、原因とまでは言えません。

まだわからないこと

まだわからないこと

アメリカの夫婦・同棲カップルを追った観察研究です。わかってもらえる感覚が体を変えたのか、元気な人がそう感じやすいのか、向きは決められません。

出典: Slatcher, R. B., Selcuk, E., & Ong, A. D. (2015). Perceived Partner Responsiveness Predicts Diurnal Cortisol Profiles 10 Years Later. Psychological Science

観察研究

感謝している人は関係が続く?

研究では、相手に感謝している人ほど相手の気持ちに応えようとして、時間がたっても関係が続きやすかったんです。

研究

どんな研究?

恋愛中の人たちに協力してもらい、いくつかの方法を組み合わせた一連の研究で、感謝と関係の保ち方を調べました。

結果

数字で見ると

大切にされていると感じる人ほど感謝し、感謝している人ほど相手の求めに応え、関係を続ける気持ちも強く、時間がたっても関係が続きやすくなっていました。第三者から見ても応え方が丁寧でした。

まだわからないこと

まだわからないこと

感謝しているから続くのか、うまくいっているから感謝するのか、向きは決めきれません。感謝を増やす介入を試した研究ではありません。

出典: Gordon, A. M., Impett, E. A., Kogan, A., Oveis, C., & Keltner, D. (2012). To have and to hold: Gratitude promotes relationship maintenance in intimate bonds. Journal of Personality and Social Psychology

観察研究

「ありがとう」は半年後にも効く?

感謝を伝えられた側が「わかってくれている」と強く感じたほど、6か月後の関係の質が高まっていました。

研究

どんな研究?

恋愛中のカップルに、実験室で相手へ感謝を伝えてもらい、その後の関係を追いかけました。

結果

数字で見ると

伝えられた側が「この人は自分をわかって応えてくれる」と強く感じたほど、6か月後に関係の質が高まっていました。実験室での1回のやりとりをきっかけに見た研究です。

まだわからないこと

まだわからないこと

実験室での1回のやりとりと、その後6か月の変化の関連を見たものです。感謝を伝えるよう促すと関係が良くなるかを、くじ引きで比べた研究ではありません。

出典: Algoe, S. B., Fredrickson, B. L., & Gable, S. L. (2013). The social functions of the emotion of gratitude via expression. Emotion

実験

責める側と離れる側は決まっている?

妻の話題では妻が求め夫が離れ、夫の話題では夫が求め妻が離れていました。役割は話題で入れ替わっていました。

研究

どんな研究?

既婚の50組の夫婦に、「妻が夫に変えてほしいこと」と「夫が妻に変えてほしいこと」の2つを話し合ってもらった研究です。

結果

数字で見ると

会話を時間の流れに沿って分析すると、求める行動と離れる行動は、話し合いの中で連動して起きていました。夫婦によって、双方向型・妻主導型などの型にも分かれました。

まだわからないこと

短い話し合いの結果

既婚50組が実験室で行った短い話し合いの分析で、家庭での実際の口論とは違う可能性があります。夫婦の数も多くなく、ほかの国や交際中のカップルで同じかはわかりません。

出典: Klinetob & Smith (1996). Demand-withdraw communication in marital interaction: Tests of interspousal contingency and gender role hypotheses. Journal of Marriage and the Family

観察研究

理想の条件で、惹かれる相手はわかる?

イベント前に答えた理想の条件は、スピードデーティングで実際に何に惹かれたかを予測しませんでした。

研究

どんな研究?

スピードデーティングとその後の追跡調査で、理想の相手に求める条件と、実際に会った相手への好意を比べた研究です。

結果

数字で見ると

理想を聞くと、外見を重視するのは男性、経済力を重視するのは女性という男女差が出ました。でも実際に会った相手への好意と外見・経済力との関係には、男女差がありませんでした。初期の好意を見た研究です。

まだわからないこと

出会ってすぐの好意の話

見たのはスピードデーティングでの最初の好意と、その後しばらくの関心です。長く付き合ったあとの満足度まで、理想の条件が関係ないとは言えません。1つの研究での結果です。

出典: Eastwick & Finkel (2008). Sex differences in mate preferences revisited: Do people know what they initially desire in a romantic partner? Journal of Personality and Social Psychology

実験

二人で新しいことをすると何が変わる?

7分間の新しく刺激のある課題を一緒にしたカップルは、平凡な課題をしたカップルより、関係の質が大きく上がりました。

研究

どんな研究?

新聞のアンケートと戸別調査、そして3つの実験室実験を組み合わせた研究です。

結果

数字で見ると

調査では、二人で「わくわくする」活動をしていると答えた人ほど満足度が高く、その差は退屈さの違いで説明できました。実験でも、何もしない組と比べて、新しく刺激のある課題をした組で関係の質が上がっていました。

まだわからないこと

どれくらい続くか

実験の効果は課題の直後に測ったもので、何週間・何か月続くかはこの研究ではわかりません。実験室の7分間の課題で、ふだんのデートで同じ効果があるかも別に確かめる必要があります。

出典: Aron, Norman, Aron, McKenna, & Heyman (2000). Couples' shared participation in novel and arousing activities and experienced relationship quality. Journal of Personality and Social Psychology

観察研究

世界が広がる体験は二人にも効く?

自分の世界が広がるような活動を二人でしたときほど、相手への性的な欲求が高くなっていました。

研究

どんな研究?

長く付き合っているカップルを対象にした、3つの研究(日記・追跡・実験)です。

結果

数字で見ると

欲求の高まりは、関係の満足度とも結びついていました。この効果は、楽しい気分や一緒に過ごした時間の長さ、その場の親密さだけでは説明できませんでした。

まだわからないこと

多くは相関の研究

日記や追跡の調査が中心で、実験で因果を確かめた部分は一部です。性的な欲求と満足度以外の面への効果は調べていません。

出典: Muise, Harasymchuk, Day, Bacev-Giles, Gere, & Impett (2019). Broadening your horizons: Self-expanding activities promote desire and satisfaction in established romantic relationships. Journal of Personality and Social Psychology

観察研究

親密さが深まるデートの計画とは?

関係から「よいことを得たい」という目標を持つ人ほど、刺激的で新しさのあるデートを計画していました。

研究

どんな研究?

交際中の人にデートを計画してもらい、1週間後に実際どうだったかを尋ねた、2つの研究です。

結果

数字で見ると

より刺激的で新しさのあるデートを計画した分、そのデートから親密さを得ていました。どんなデートを選ぶかは本人に任されており、デートの内容を割り当てた実験ではありません。

まだわからないこと

選んだのは本人

どんなデートにするかは本人が決めており、デートの内容を割り当てた実験ではありません。もともと関係に前向きな人が、楽しいデートも選んでいた可能性があります。

出典: Harasymchuk, Walker, Muise, & Impett (2021). Planning date nights that promote closeness: The roles of relationship goals and self-expansion. Journal of Social and Personal Relationships

観察研究

支えが心に届くのはどんなとき?

相手からの支えは、こちらの気持ちに合った応え方だったときにだけ、悲しさや不安が少なく、関係の質が高くなっていました。

研究

どんな研究?

同棲している67組のカップルに、毎日、相手に与えた支えと受けた支えを記録してもらった研究です。

結果

数字で見ると

目に見える支えも、気づかれない支えも、気持ちに合った応え方だったときにだけ良い結びつきが見られました。支えの量より、合っているかどうかが鍵でした。

まだわからないこと

相関の研究

同棲する67組の日々の記録をもとにした相関の研究で、気持ちに合った支えが原因で気分が良くなったとまでは言えません。ほかの国や、同棲していないカップルで同じかはわかりません。

出典: Maisel & Gable (2009). The paradox of received social support: The importance of responsiveness. Psychological Science

レビュー

浮気の研究で見えてきたことは?

浮気は心身の健康に広く悪影響を与えうることが、浮気の研究を整理したレビューで指摘されています。

研究

どんな研究?

これまでの浮気の研究を整理したレビューです。

結果

わかったこと

浮気の頻度の男女差が縮まってきていることや、同棲・宗教・インターネットが浮気の起きやすさに関わることも取り上げられています。

まだわからないこと

定義がそろっていない

研究ごとに「浮気」の定義が違い、単純に比べにくいとされています。数字でまとめたメタ分析ではありません。著者も、よりよい研究のための8つの提案をしています。

出典: Fincham & May (2017). Infidelity in romantic relationships. Current Opinion in Psychology

実験

息が合う人は魅力的に見える?

息の合ったやり取りをする男女の映像を見た参加者は、息の合っていない映像より、二人を魅力的だと評価しました。

研究

どんな研究?

オンライン実験(144人)と、ラボでのスピードデート実験(48人、うち32人から生理データを取得)を組み合わせた研究です。

結果

数字で見ると

デート中の皮膚電気活動の同期しやすさが高い人ほど、相手からの魅力度評価も高い傾向でした(相関係数0.415)。メトロノームに合わせるタップ課題が得意な人ほど魅力的とされる関連もありました(0.413)。

まだわからないこと

人数が少ない

スピードデートの生理データは32人と少なく、関連を示したものです。同期させれば好かれるとは限らず、初対面の短いデートに限った結果です。

出典: Cohen, Abargil, Ahissar, & Atzil (2024). Social and nonsocial synchrony are interrelated and romantically attractive. Communications Psychology

観察研究

「流れで」より「決めて」進むと?

相手選びや関係の進め方を、流れでなくよく考えて決めている人ほど、相手への献身と関係の満足度が高くなっていました。

研究

どんな研究?

交際中・同棲中・既婚の、アメリカの18〜60歳252人にオンラインで調べた研究です。

結果

数字で見ると

よく考えて決めていると答えた人ほど、献身と満足度が高く、浮気などの関係外の関わりも少なめでした。一時点の調査で、考えて決めることが良い関係を生んだという因果関係までは示していません。

まだわからないこと

どこまで言える?

1回きりのオンライン調査で、相関を見たものです。参加者の7割以上が女性で、多くは白人でした。もともと関係がうまくいっている人ほど「考えて決めた」と振り返りやすい可能性も残ります。

出典: Owen, Rhoades, & Stanley (2013). Sliding Versus Deciding in Relationships: Associations With Relationship Quality, Commitment, and Infidelity. Journal of Couple & Relationship Therapy

レビュー

「運命の人」思考は何を変える?

恋愛や結婚についての思い込みは、相手を「評価する」方向に向かうか、関係を「育てる」方向に向かうかを左右すると考えられています。

研究

どんな研究?

それまでの実証研究をまとめた理論的レビューです。恋愛や結婚についての思い込みが、関係の中でどう働くかのモデルを示しました。

結果

数字で見ると

思い込みは、相手を評価するか、関係を工夫し育てるかの向きを左右し、目標や動機、出来事の原因の捉え方、行動に影響するとされています。レビュー論文で、単独の実験データを新たに示すものではありません。

まだわからないこと

どこまで言える?

理論と先行研究をまとめたもので、新しいデータはありません。「運命の人」と考える人の関係がうまくいかないと決まるわけではなく、場面によって働き方が変わるとされます。

出典: Knee, Patrick, & Lonsbary (2003). Implicit theories of relationships: Orientations toward evaluation and cultivation. Personality and Social Psychology Review

実験

親しい二人の沈黙は気まずい?

関係が安定していると感じている二人では、沈黙が「言葉にしなくても分かり合えている」という感覚を強めていました。

研究

どんな研究?

さまざまな関係にあるパートナー同士を対象にした2つの実験です。初対面同士の結果は、先行研究によるものです。

結果

数字で見ると

見知らぬ者同士では、沈黙が「受け入れられていない」感覚につながりやすいとされます。一方、安定した二人では、考えが共有されている実感を裏づける方向に働いていました。実験室の会話場面で、実際のデートでの再現性は確認されていません。

まだわからないこと

どこまで言える?

実験室での2つの実験です。関係が不安定な二人では、沈黙がむしろ不安を強める可能性も残ります。本物のデートで確かめたものではありません。

出典: Koudenburg, Gordijn, & Postmes (2014). "More than words": Social validation in close relationships. Personality and Social Psychology Bulletin

観察研究

何気ない会話は話し合いに効く?

日常のやりとりに遊び心や熱意がある夫婦ほど、意見が対立した話し合いの最中にもユーモアや愛情を見せやすくなっていました。

研究

どんな研究?

新婚夫婦49組の、10分間の夕食時のやりとりと、意見が対立する話題での15分間の話し合いを観察した研究です。

結果

数字で見ると

日常の明るいやりとりは、喧嘩中の態度とつながっていました。観察にもとづく相関の研究で、日常のやりとりが原因だとは断定できないと著者自身が書いています。

まだわからないこと

49組の新婚夫婦だけ

アメリカの新婚夫婦49組を観察した相関の研究です。日常のやりとりを変えれば話し合いが変わるかは試しておらず、長い結婚生活に当てはまるかもわかりません。

出典: Driver & Gottman (2004). Daily marital interactions and positive affect during marital conflict among newlywed couples. Family Process

メタ分析

話し方を学ぶと関係は変わる?

話し方や問題解決を学ぶ関係改善プログラムには、関係の質とコミュニケーションのスキルに、小〜中程度の効果がありました。

研究

どんな研究?

結婚・交際中のカップル向けの関係改善教育について、117件の研究、500以上の効果量をまとめたメタ分析です。

結果

数字で見ると

比較実験の研究では、関係の質に小さな効果(d = 0.30〜0.36)、話し方のスキルに小〜中程度の効果(d = 0.43〜0.45)がありました。ほどほどの時間をかけたプログラムは、短いものより効果が大きめでした。

まだわからないこと

誰にでも効くかは不明

対象者の人種や経済状況の幅が狭く、苦しい状況のカップルに効くかは確かめられていません。別れや暴力を減らすかも、ほとんど調べられていません。

出典: Hawkins, Blanchard, Baldwin, & Fawcett (2008). Does marriage and relationship education work? A meta-analytic study. Journal of Consulting and Clinical Psychology

観察研究

年の差カップル、満足が高いのは?

女性が年上のカップルが、男性が年上のカップルや同年代のカップルより、関係への満足度と続けたい気持ち(コミットメント)がいちばん高くなっていました。

研究

どんな研究?

年の差のある関係と同年代の関係にいる、異性と交際中の女性を対象にした調査研究です。

結果

わかったこと

続けたい気持ちを予測する要因(満足度・ほかの相手・これまでの投資・周りの目への考え方)の効き方は、年の差カップルと同年代カップルで違っていました。

まだわからないこと

女性側だけの答え

女性だけに一度聞いた調査で、相手の男性の答えはありません。年の差が満足度を生むのかもわからず、2008年のアメリカの研究なので、今の日本に当てはまるかも不明です。

出典: Lehmiller & Agnew (2008). Commitment in age-gap heterosexual romantic relationships: A test of evolutionary and socio-cultural predictions. Psychology of Women Quarterly

観察研究

年の差カップル、満足が高いのは?

年の差がおよそ7〜10年ある関係では、年下の相手と付き合う年上側のほうが、性と関係の満足度が高い傾向が見られました。

研究

どんな研究?

年の差のある関係にいる18〜50歳以上の126人に答えてもらったオンライン調査です。

結果

数字で見ると

年の差の関係と結びついていたのは、男性では関係の満足度、女性では関係と性の満足度などでした。

まだわからないこと

少人数の一度きりの調査

126人に一度だけ聞いた自己申告の調査で、同じ人を追っていません。年の差が満足度を生むのかはわからず、性的少数者の声も少ないと著者らは述べています。

出典: Banbury, Pacan, Kostadinova, Hada, Morriss-Roberts, Quarcoo, & Chandler (2025). The relationship between age-gap relationships/dating, sexual function, relationship satisfaction, sexual self-efficacy and well-being. Sexual and Relationship Therapy

観察研究

遠距離を支える信頼のつくり方は?

関係を保つための行動は、交際の質を直接高めるだけでなく、相手への信頼を通じて間接的にも高めていました。

研究

どんな研究?

遠距離恋愛を6か月以上続けている新成人を対象にした調査です。

結果

わかったこと

信頼を築くうえで特に大きかったのは、オープンに話すことと、前向きな態度でした。

まだわからないこと

調査の細かい点は不明

要旨には人数や国、統計値の記載がなく、確かめられていません。一度の調査とみられ、行動が信頼を生むのか、信頼があるから行動するのかは区別できません。

出典: Körün & Satıcı (2026). Even Though the Long Distance: Are We Still Going on? Dyadic Trust, Relationship Maintenance Behaviors, and Relationship Quality Among Emerging Adulthoods. Scandinavian Journal of Psychology

メタ分析

不安や回避の影響は時間で薄れる?

愛着の不安・回避の傾向が強いほど満足度が低いという関連は、関係が長く続くカップルほど強く現れる傾向がありました。

研究

どんな研究?

恋愛関係にある成人を対象にした先行研究をまとめたメタ分析です。

結果

わかったこと

付き合いが長いほど、不安や回避と満足度・続けたい気持ちの低さの結びつきは強くなっていました。時間がたてば自然に薄れる、とは言えなさそうです。

まだわからないこと

同じカップルを追っていない

まとめた研究の多くは一度きりの調査で、同じカップルを長く追ったものではありません。付き合いの長さで本当に変わるのかは、追跡研究で確かめる必要があります。

出典: Hadden, Smith, & Webster (2014). Relationship Duration Moderates Associations Between Attachment and Relationship Quality: Meta-Analytic Support for the Temporal Adult Romantic Attachment Model. Personality and Social Psychology Review

観察研究

別れにつながりやすい喧嘩の仕方は?

否定的な表現が多く、頑固さや引きこもり、防御的な傾向が強い夫婦は、のちの別れ(別居を含む)のリスクが高い傾向がありました。

研究

どんな研究?

73組の夫婦を1983年と1987年に調べ、夫婦の感情のやり取りとその後を追った研究です。

結果

数字で見ると

やり取りのバランスが取れていない夫婦は、肯定的な表現が少なく、満足度も低く、4年後の健康も悪めでした。

まだわからないこと

古く小さな研究

アメリカの夫婦73組を4年追った30年以上前の研究です。この喧嘩の仕方が別れの原因だとまでは言えず、今の夫婦に当てはまるかは大きな研究で確かめる必要があります。

出典: Gottman & Levenson (1992). Marital processes predictive of later dissolution: behavior, physiology, and health. Journal of Personality and Social Psychology

レビュー

結婚の行方はどう見ればいい?

結婚がどう発展し、うまくいくか失敗するかは、時間をかけた追跡データで理解するのが最適だと論じられています。

研究

どんな研究?

結婚の質と安定が時間とともにどう変わるかを、115件の追跡研究(合計4万5千組以上の結婚)から整理したレビューです。

結果

数字で見ると

一度の調査ではなく、時間を追ったデータが大切だという整理です。1995年までの研究の整理で、現在の状況と異なる部分があります。

まだわからないこと

具体的な答えではない

研究の方法を整理したレビューで、「こうすればうまくいく」という答えを出したものではありません。1995年までのアメリカ中心の研究で、今の結婚の形とは違う部分があります。

出典: Karney & Bradbury (1995). The longitudinal course of marital quality and stability: a review of theory, method, and research. Psychological Bulletin

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